東光寺

繁華街の路地の急な石段を登った丘の上にあるお寺です。高杉晋作ゆかりの場所でもあります。
功山寺で挙兵し、新地会所を襲撃したあと了円寺に立てこもったものの、合流してくる同志たちで手狭になったため、この東光寺に本陣を移したのです。
当時は高杉晋作はもちろんのこと、伊藤博文もここで寝起きをしたといわれます。

特に観光客が立ち寄る場所ではありませんが、このお寺には一風変わった供養塚があります。その名も庖丁塚です。
ここには役目を終えたたくさんの庖丁が納められています。

毎年11月に飲食関係者・市場関係者など、庖丁とは“切っても切れない”関係にある人たちに加え、観光・行政の関係者たちが集まって「庖丁供養祭」を行います。

庖丁は植物や動物の尊い命を絶ち、人間に食べ物として供してくれます。
長く使われた庖丁にも魂が宿ると考え、使えなくなったときには深い感謝を込めて供養するという、日本人らしい風習が今もなお受け継がれています。