ふぐ百科(用語集・書籍・論文)

ふぐ関連の様々な用語・書籍・論文などを、独自の解説を添えてご紹介いたします。
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秋のふくまつり

秋のふくまつり

「秋のふくまつり」とは、ふぐの本場・下関で毎年9月29日の「ふくの日」に市内の亀山八幡宮で行われている行事です。
ふぐ業界関係者にとっては、本格的なふぐシーズンの到来を全国に告げるとともにふぐ漁の豊漁と航海安全を祈る大切な行事となっています。

式典には、亀山八幡宮の境内に鎮座している下関ふぐのシンボルであり日本最大級のふぐの銅像「世界一のふくの像」の前に設けられた祭壇に約3キロもの天然トラフグが玉串などとともに供えられます。
2021年には42回目を迎え、新型コロナウイルス感染拡大防止のため規模を縮小して行われましたが、例年ふぐ業界の関係者が約70〜80名参列し、おそろいの法被をまとって豊漁と航海安全、そしてふぐ業界の今後の発展を祈願します。
境内では、下関市内の飲食店によるふぐ料理の販売や、亀山八幡宮の御朱印の授与なども行われています。

また、「秋のふくまつり」が行われるころには下関市の南風泊(はえどまり)市場でふぐの「シーズン初競り」が行われ、とらふぐの市場価格動向にマスコミをはじめ多くの方が注目を集めています。

夏ふぐ

夏ふぐ

「夏ふぐ」とは、一般的には「冬の味覚の王様」で知られるとらふぐ料理が夏にもピッタリな食材として注目され、生まれた呼び名です。
冬の最高級食材と称されるとらふぐですが、近代は養殖技術が進み、夏でもおいしくいただけるようになったことから近年人気を博しています。

見た目も涼しげなふぐの透き通るような「お刺身」をはじめ、ビールとの相性が抜群な「唐揚げ」やそうめんと組み合わせていただきたい「タタキ」などが特に注目されており、そのほかには夏のバーベキューの食材などにも幅広く親しまれています。
ふぐを使用した夏のアレンジメニューとしては、「ふぐ刺しのカルパッチョ」や「ふぐ茶漬け」、「ふぐ唐揚げ大根おろしのっけ盛り」といった料理が暑い季節にピッタリです。
また、ふぐが持つ成分は低カロリー高たんぱく質、さらに海洋性コラーゲンも豊富なことから夏バテ対策にも活用でき、ふぐポン酢のまろやかな酸味は食欲の落ちやすい夏に欠かせません。

ふく

ふく

「ふく」とは、下関を中心とする地域でのふぐの呼び名です。
ふぐの本場・下関では、ふぐは幸福を招く縁起の良い魚とされており、「福」に語呂を合わせて「ふく(福)」と呼ばれています。
また、諸説ありますが「ふぐ」という発音から「不具」や「不遇」といった縁起のよくない言葉を連想されるのを避けるために「ふく」と呼ばれるようになったともいわれています。

「ふく」という呼び名は、下関のほかには北九州や福岡県などでもふぐが「福」を呼ぶ縁起の良い魚という意味を込めて使われており、西日本ではふぐのことを濁らずに「ふく」と呼ぶ傾向がみられます。
全国的には「ふぐ」の呼び名が一般的ですが、平安時代ごろの書物にはふぐのことを「布(ふ)久(く)」「布久閉(ふくへ)」と記されているものもあり、実は「ふく」という呼び名の方が歴史は長いとみられています。
しかし、その由来は現在のように幸福の「福」ではなく、ふぐが身体を「膨(ふく)」らませている姿から取られていたようです。

ふぐの呼び名は大阪の「てっぽう」をはじめ、地方によって様々な呼び方が存在していますが、特に「ふく」は昔からお祝い事などの大切な縁起物としてふぐを重宝してきた人々の思いと歴史が感じ取れますね。

ふくの日

ふくの日

「ふくの日」は、2月9日に語呂を合わせて制定されているふぐの記念日です。当日はふぐの取扱量が日本一を誇る下関が中心となって全国各地でイベントやキャンペーンなどが行われ、ふぐの豊漁と航海の安全、そしてふぐ業界の発展を祈ります。

下関では、1980年に下関ふく連盟によって「ふくの日」が制定されてから、毎年2月9日に海や商売繁盛の神が祀られている恵美須神社で「ふくの日祈願祭」が行われています。
また、11日の建国記念日には南風泊(はえどまり)市場で「ふくの日まつり」が開催され、地元・下関の食を多くの人々に親しんでもらおうと約1000食のふぐ鍋が無料で振る舞われるほか、ふぐのつかみ取りやご当地ヒーローのステージショーなど子供から大人まで楽しめる様々な催しが行われています。

そして、2月9日以外にも毎月29日を「ふくの日」としているところが多く、特にふぐシーズンの到来を迎える9月29日や、11月29日の「いいふくの日」はイベントやキャンペーンが全国的に数多く開催されています。
下関でも「秋のふくまつり」をはじめ、可愛らしいふぐが描かれた御朱印が授与される記念イベントが行われている亀山八幡宮などが多くの人々で賑わっています。

テトロドトキシン

テトロドトキシン

「テトロドトキシン」とは、強力な毒を持つことで知られているふぐの体内に蓄積している毒素です。
青酸カリの約1000倍といわれるほど強力な毒素であり、300度以上で加熱しても分解されず、解毒剤もなくわずか0.5〜1.0mg摂取しただけで致死量に達するという恐ろしい特徴があります。
テトロドトキシンはトラフグをはじめとする多くのふぐの仲間が持っており、ふぐ毒に関する正しい知識を持つ有資格者による除毒処理が必須となっています。万が一釣りなどでふぐを入手しても、素人が調理するのは非常に危険ですので絶対にやめましょう。

海の中では、ふぐが持つ強力な毒をほかの魚が本能的に察知し、食べるのを避けているのではないかという説があることからふぐは天敵が非常に少ない魚だといわれています。
大きな魚やカモメなどに食べられることはあっても人間と同じように食中毒を起こしているとみられていますが、高い知能を持つイルカはわざとふぐを刺激して放出されたテトロドトキシンを吸入し、酩酊状態を楽しんでいるという驚きの様子がSNSなどで度々話題となっています。
このような海で暮らす生き物たちの習性はもちろんですが、テトロドトキシンには解毒方法も含めてまだまだ謎が多く、人間にとっては大変危険な毒素であることには変わりありません。

ふぐ刺し

ふぐ刺し

「ふぐ刺し」とは、ふぐの身を熟練の職人の手によって捌いたお刺身です。
他の魚に比べて、身が厚くて固いふぐのお刺身はかなり薄く切られているのが大きな特徴となっており、薄造りに欠かせない専用の「ふぐ引き包丁」を使っています。
ふぐ料理と聞いてイメージする方が最も多いのがふぐ刺しであり、ふぐをいただくのが初めてという方にオススメの料理です。
透き通ったふぐのお刺身が大きなお皿の上に一枚一枚丁寧に盛り付けられた様子はまるで芸術品のような美しさで、1988年からは毎年下関で調理されたふぐ刺しが宮家へと献上されています。
ふぐ刺しはまず目で見て楽しめるのが魅力の一つですが、ふぐ本来の歯ごたえや繊細な旨味が堪能できるという点もふぐ料理の代表格といわれる所以です。
ふぐの旬は「秋の彼岸から春の彼岸まで」といわれており、冬の最高級食材として知られる一方で、ふぐが持つ豊富な栄養素は夏バテ予防にも効果があり、厳しい暑さの季節もふぐ刺しの涼しげな見た目が人気を博しています。

なお、大阪ではふぐのことを「てっぽう」と呼ぶことから、てっぽうのお刺身を略して「てっさ」と呼ばれています。

日本産フグ類図鑑

著者
松浦啓一
出版社
東海大学出版部
初版
2017年3月22日
主な目次
ウチワフグ科
フグ科
トラフグ属をめぐる問題
ハリセンボン科
マンボウ科
フグ類の系統と分類
日本産フグ類の多様性
フグ類の毒性フグ類の繁殖生態
詳細
東海大学出版部

日本近海産フグ類の鑑別と毒性

出版社
中央法規出版
初版
2013年9月10日
主な目次
フグ目【フグ亜目】
フグ科トラフグ属/サバフグ属/センニンフグ属/ヨリトフグ属/シッポウフグ属/
モヨウフグ属/キタマクラ属/オキナワフグ属
ハリセンボン科ハリセンボン属/イシガキフグ属・ウチワフグ科ウチワフグ属
【モンガラカワハギ亜目】
ハコフグ科ハコフグ属/コンゴウフグ属
カワハギ科
ウスバハギ属
資料
索引
詳細
中央法規出版

ザ・フグ―フグの飼育と楽しみ方 (アクアリウム・シリーズ)

著者
新川章
出版社
誠文堂新光社
初版
2009年6月1日
主な目次
淡水フグの魅力
淡水フグとは?
淡水フグ&汽水フグ図鑑
淡水フグと汽水フグの飼育
海水フグ図鑑
海水フグの飼育
フグQ&A
詳細
誠文堂新光社

かわいいミドリフグ―小型フグを飼う

著者
森文俊
出版社
ピーシーズ
初版
2009年6月1日
主な目次
ミドリフグ、淡水フグの魅力
ミドリフグの体
かわいいミドリフグ
小型フグ・カタログ
ミドリフグ、小型フグ飼育の基本
ミドリフグ、小型フグの飼育器具
楽しい飼育レイアウト
適した飼育水を整える
アベニー・パッファーの飼育
淡水フグの選び方、飼い方
飼育開始当初の管理
日常管理の方法
エサの種類と与え方
健康管理と病気
ミドリフグ、小型フグQ&A
詳細
ピーシーズ

よみきかせ いきものしゃしんえほん (41) うまれたよ! フグ

著者
松沢 陽士
出版社
岩崎書店
初版
2020年9月30日
主な目次
なし

クサフグは、堤防釣りなどでよく釣り上げられる小さなフグの仲間です。
プクーっとふくれた様子をご覧になったことはあるのではないでしょうか。
海水浴でも見かけたことがあるかもしれませんね。

6月のある日、静かな海辺にたくさんのフグが集まって来ました。卵を産みに来たのです。波打ち際で繰り広げられる生命誕生の物語。 (出版社:岩崎書店より)

詳 細
岩崎書店

フグ食の科学 

fugu-shoku-no-kagaku
著者
酒井治己
出版社
生物研究社
初版
2021年3月15日
主な目次
はじめに (酒井治己)
第1章 フグという魚について (山野上祐介)
第2章 トラフグ日本海・東シナ海・瀬戸内海系群の資源評価と種苗放流の
直接効果 (片町太輔)
第3章 トラフグ養殖の経緯と陸上養殖 (山本義久)
第4章 トラフグの育種技術―バイオテクノロジーをフグ養殖へ利用する―
(吉川廣幸・吉浦康寿)
第5章 トラフグ属の鑑別と雑種 (高橋洋)
第6章 雑種のフグはどこに毒を持つのか (辰野竜平)
第7章 フグ模様による種の判別 (石田武志)
第8章 みがきフグの目利きの技とシステム開発 (中村誠・椎木友朗)
第9章 美味しさの秘密―フグはブリやタイとどこが違うか―
(宮崎泰幸・河邉真也)
第10章 独特な流通,これからの流通 (濱田英嗣)
第11章 フグ処理者免許統一に向けて (古川澄明)
第12章 ふく食文化礼讃 ―おわりにかえてー (鷲尾圭司)
詳細
山口県下関市・水産大学校内山口連携室

トラフグ物語―生産・流通・消費の構造変化 

著者
松浦勉
出版社
農林統計協会
初版
2017年1月25日
主な目次
まえがき
序 章 研究の分析視点、課題、方法
第1章 フグ延縄漁業の生産構造の変化(漁業編)
第2章 トラフグの蓄養業と養殖業の生産構造の変化 (蓄養殖業編)
第3章 フグ流通構造の変化(流通編)
第4章 フグ消費構造の変化(消費編)
補論 マフグの漁業生産と消費の動向
コラム
参考資料
あとがき
詳 細
農林統計協会公式ホームページ

ふぐの皮による食中毒

著 者
権藤 勝善
発行機関
福岡市衛生局東保健所
公開日
2009年12月11日
主な目次
事件の概要
事件の探知
患者発生の状況
原因商品及び原因物質
行政処分など
考察
詳 細
J-STAGE

天然トラフグ身欠きの熟練的品質評価モデルについて

著 者
中村 誠, 鴻上 健一郎, 太田 博光, 明田川 雅子, 徳永 憲洋, 前田 俊道
発行機関
日本知能情報ファジィ学会
公開日
2015年4月1日
主な目次
はじめに
方法
結果と考察
結言
詳 細
J-STAGE

下関トラフグ身欠きの熟練的品質評価の解析

著 者
中村 誠, 太田 博光, 平 雄一郎, 森元 映治, 江副 覚, 前田 俊道, 中村 尭史
発行機関
一般社団法人 日本人間工学会
公開日
2013年03月02日
主な目次
緒言
実験と解析方法
結果
考察
結言
詳 細
J-STAGE

フグによる食中毒

著 者
原 幸輔
発行機関
公益社団法人 日本食品衛生学会
公開日
2009年12月11日
主な目次
目次なし
詳 細
J-STAGE

ふぐ皮すき機(<特集>匠(たくみ)と美)

著 者
久我 高昭
発行機関
一般社団法人 日本機械学会
公開日
2017年6月21日
主な目次
目次なし
詳 細
J-STAGE

ファジィ推論を用いたフグ類身欠きの熟練的品質評価モデル

著 者
中村 誠, 太田 博光, 鴻上 健一郎, 明田川 雅子, 徳永 憲洋, 前田 俊道
発行機関
日本知能情報ファジィ学会
公開日
2014年9月23日
主な目次
1.緒言
2.方法
3.結果と考察
4.品質評価のファジィ推論モデル
5.結言
参考文献
詳 細
J-STAGE

習熟したふぐ処理師に相当する身欠きフグの目利きシステム

著 者
嶋 李仁, 中村 誠, 椎木 友朗, 渡邉 敏晃, 前田 俊道(水産大学校)
発行機関
一般社団法人 日本人間工学会
公開日
2020年8月20日
主な目次
1. はじめに
2. 設計と評価
3. 結果と考察
4. むすび
参考文献
詳 細
J-STAGE