下関市近代先人顕彰館「田中絹代ぶんか館」

1924（大正13）年に建てられ、旧逓信省下関電話局電話課庁舎として1966（昭和44）年まで使用されました。
その後下関市の所有となりましたが、老朽化のため1993（平成5）年に市が解体を決定し、建物の一部が解体されました。
しかし建物保存へ市民が盛り上がりを見せたため市は方針を転換し、改修工事を経て、2010（平成22）年「田中絹代ぶんか館」として開館しました。

建物は当時の最先端分離派建築の流れを汲むもので、非常にモダンな印象です。このころ建設された全国の電話局の多くが分離派の影響を受けたものでしたが、現在残存するのは下関のみという大変貴重な建物です。
北九州市の門司港にもユニークな電話局の建築が残っているので比較してみるのも興味深いです。

1階は下関にゆかりのある近代以降の文学者とその作品や、下関が登場する作品を紹介する「ふるさと文学館」になっており、2階は下関出身の往年の大女優田中絹代の出演作台本、衣装や写真等、貴重な映画資料の展示を行う「田中絹代ぶんか館」となっていて見ごたえがあります。
3階には休憩室もあり、映画ファンならずともお楽しみいただけます。