ふぐの本場・下関で知られる山口県では、2023年も6月から7月にかけて「ふぐ処理師」資格試験が行われました。
県内で43回目を迎えた今年は、事前に行われた講習会に多くの人が参加したことが話題となりました。
「ふぐ処理師」資格の講習会参加者が昨年の倍に
2023年5月、「ふぐ処理師」資格試験を前に講習会が山口市内で開催されました。山口県調理師団体連合会が主催となって、しっかりとした知識と技術が必要なふぐに関する授業や実技指導が行われ、40名以上が参加しました。
今年は昨年の倍の人数が参加したということで、なかには昨年話題となった小学生の資格試験チャレンジを知って受講したという方も。
また、今年は7月にふぐ処理師の学科試験合格者を対象に行われる、実技試験に向けた予備講習会が協同組合下関ふく連盟の主催で開催されました。
下関ふく連盟が予備講習を行うのは今回が初めてで、こちらには10名以上が参加しました。
このような講習会が行われ多くの人が参加した背景には、山口県で昨年から「ふぐ処理師」の資格取得条件が緩和されたことが主な理由に挙げられます。
これまでは資格取得には現場で実務経験を3年間積んだあとに試験を受けることが必須なっていましたが、緩和によって経験がなくとも受けられるようになりました。
正しい知識と技術を持って合格できれば資格取得が可能になったことから、多くの人がふぐに興味を持つきっかけへと繋がり、そして安全に試験に臨んでほしいという思いが込められています。
小学生の資格試験チャレンジについては、ふぐマガでも過去に取り上げていますので是非そちらもご覧ください。(山口県で初! 小学生が「ふぐ処理師」資格試験に挑戦)
取得条件緩和で期待されるふぐ料理の新たな可能性
山口県では昨年から「ふぐ処理師」資格取得条件が緩和されたとはいえ、猛毒テトロドトキシンを持つふぐを扱うための試験合格は容易ではなく、大変な努力を重ねなければなりません。
また実技試験は、まずふぐに関する知識や食品衛生学などが問われる学科試験に合格してからでないと受けられない厳しい道のりです。
しかし取得条件が緩和されたことで、中華料理屋やフランス料理屋といったこれまでふぐ料理に縁がなかった方でも試験を受けられるようになりました。
最近では県外でも、ふぐ料理の可能性を広げることを目的とした「全国ふぐ料理コンテスト」など新たな試みが行われていますので、我こそはという方は是非試験に挑戦してみてはいかがでしょうか?
「全国ふぐ料理コンテスト」については、ふぐマガでも過去に取り上げていますので是非そちらもご覧ください。(新しい定番ふぐ料理が生まれるかも? 「第一回全国ふぐ料理コンテスト」開催)