2023年4月29日(土)、トラフグの取扱量が日本一を誇る下関・南風泊(はえどまり)市場で「下関ふく供養祭」が開催され、全国から約250人が参列しました。
今年で84回目となる下関の「ふく供養祭」
「下関ふく供養祭」は、協同組合下関ふく連盟の主催で1930年から行われているふぐ業界最大の伝統行事です。
ふぐのシーズンが落ち着く4月、ふぐの語呂合わせである「29日」に毎年行われており、日本国内で開かれているふぐ供養祭で最も歴史が長いことで知られています。
2020年以降、供養祭は新型コロナウイルスの影響によって2年間中止となり、下関ふく連盟の理事だけが出席する形の「ふぐ慰霊式」が代替として行われましたが、昨年から来賓を招いて開催され、84回目となる今年は全国から水産者関係者ら約250人が参列しました。
供養祭当日は、祭壇に開門海峡で獲れた重さ4キロの天然トラフグが泳ぐ水槽が供えられ、参列者はふぐの命に感謝の気持ちを込めて焼香・供養をしました。
供養祭終了後は市場そばの岸壁でふぐが放流され、来シーズンの豊漁と航海安全を祈願しました。
また、ふぐ市場の発展や消費拡大などに功績のあった生産者や養殖業者を称える表彰式も行われ、今シーズン最大の11.2キロのトラフグを水揚げした漁船へ「大ふく賞」が授与されました。
来シーズンのふぐ豊漁と航海安全、さらなる消費拡大に期待
「下関ふく供養祭」は、ふぐ漁シーズンの終わりを告げると同時に来季の豊漁と航海安全を祈願する毎年欠かせない伝統行事です。
下関ふく連盟の郷田祐一郎理事長は、「今季は4シーズンぶりに新型コロナウイルスの影響を受けずにふぐシーズンを終えることができた。歴史と伝統がある安心安全な下関ふぐを一人でも多くの方に食べていただけるよう努力していく」と挨拶し、今年は幕を閉じました。
なお同連盟によりますとコロナ禍で大きく落ち込んだふぐの消費は上向いており、5月の感染症5類移行を弾みにさらなる消費拡大を期待しているということです。
次のシーズンもふぐの豊漁を期待し、「幸ふく(福)」に迎えられるよう楽しみに待ちましょう!