2022年4月16日(土)、東京都墨田区の西光寺で「ふぐ供養祭」が東京ふぐ卸売共同組合の主催によって行なわれました。
東京都のふぐ供養祭は毎年ふぐシーズンの終わりに開催され、2019年には築地市場から豊洲市場へと場所を移して行なわれましたが、2020年からは新型コロナウイルスの影響により西光寺にて実施されています。
ふぐの命に感謝の気持ち捧げる「ふぐ供養祭」
ふぐ供養祭は、ふぐの本場・下関をはじめとする日本各地で行なわれており、多くの地域で毎年ふぐのシーズン終わりの時期に開催されている伝統行事です。
1年間のあいだにいただいたふぐの命に感謝するために行なわれ、東京都のふぐ供養祭は下関に次いで長い歴史を誇っています。
2018年までは築地市場で長きにわたって行なわれてきましたが、その後は築地から市場移転し2019年には豊洲市場で初の開催となりました。
そして、翌年以降は新型コロナウイルス感染拡大を受けて墨田区・西光寺へと場所を移して行なわれています。
例年であれば多くのふぐ関係者が参列し、ふぐへの感謝の気持ちを込めて読経や焼香が行なわれますが、現在は感染対策のため出席人数を計10名に限定し、当日は組合の理事や卸関係者の方々が参列しました。
組合の除毒所で身欠いたふぐが捧げられ、ふぐへの感謝の気持ちとともに冥福を祈りました。
日本人のふぐへの特別な気持ちが表れた「ふぐ供養祭」
これまで築地や豊洲市場で行なわれてきた東京都のふぐ供養祭は、例年であれば会場には多くの花が飾られた祭壇が設置され、仏事を終えたあとは外に移動し、参列者によって東京湾へふぐの放魚が行なわれ幕を閉じます。
国内外から多くの魚種が集まる市場において、「ふぐ」という一種類の魚種だけでこうした供養祭が行なわれるのは珍しいそうで、日本人のふぐへの特別な思いが表れた伝統行事の一つとしてこれまで大切に行なわれてきました。
現在はまだまだ新型コロナウイルスによる影響が続き、感染対策のため出席人数も限定された上で行うことを余儀なくされていますが、ふぐの命をいただいているということへの感謝の気持ちはこれからも強く受け継がれていくことでしょう。