ふぐニュース

爆買いならぬ「爆食」される日本のフグ

「爆買い」が2015年の流行語大賞を受賞したように、中国人観光客が訪日の際に高額商品を大量買いしていく姿はニュースでも頻繁に報道されていますが、最近は中国人観光客のお目当てはショッピングよりも「日本食を楽しむ」ことを目的とする人が増えていることはご存知でしょうか?

大手飲食店情報検索サイト「ぐるなび」の中国版で、ジャンル別に検索数を集計したところ「ふぐ料理」は「焼き肉」「居酒屋」に次いで堂々の3位にランクイン。
なぜ、中国人観光客はふぐ料理にここまで高い関心を持っているのでしょうか?

「河豚」の文字由来の地・中国ではフグが食べられない?

ふぐを漢字で書くと「河豚」と書くのは、中国では海よりも河に生息するフグが親しまれていたことが由来であると、ふぐマガでも過去の記事(意外と知られていない? 「フグ」をあらわす複数の漢字の存在)で取り上げました。

中国では1500年以上前からフグ食文化があったという記録もありますが、度々フグ毒による事故があったことから、1982年以降中国ではフグを食用とすることが法律で禁じられています。

国の認可を受けフグを取り扱う業者も存在してはいますが一般的ではないため、中国国内でフグを気軽に食べるということは難しいのが現状です。

もともとフグを食べる文化があったことに加え、食への関心が高い国民性も手伝ってか、禁じられている自国を飛び出し「ふぐ料理」目当てに訪日する中国人観光客が近年増えているのです。

ふぐ不足を心配するほどの盛況ぶり

日本政府観光局によると、2015年1月から7月の訪日中国人の推計は約276万人。すでに2014年1年間の訪日数を上回り、10年以上訪日外国人トップだった韓国人の数を超えるほど日本観光の人気が高まっています。

大阪の老舗ふぐ料理店では、多い日には58組もの中国人観光客が訪れるほどの盛況ぶり。
大阪の台所と呼ばれる「黒門市場」でも、ふぐを目当てに来る外国人観光客も多く、ふぐ刺しなどをお店のイートインスペースで気軽に、リーズナブルに楽しめると人気スポットになっています。
業績が前年比2割以上増す飲食店もある一方、原資であるふぐ不足を懸念する声も広がるほどの消費量になっているそうです。

現在中国ではふぐ食解禁の動きも出てはいるものの、まだ実現に至っていないことから、今後も中国人観光客のふぐ需要は増えることが予想されます。
ふぐを潤沢に提供するため、養殖・加工技術の向上や日本ならではの仕組みづくりなど、今後も業界をあげて様々な取り組みを引き続き行う必要性がありそうです。

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