ふぐマガでは以前、コモンフグによく似た食用不可のふぐの仲間「コモンダマシ」についてご紹介しましたが、ほかにも素人では判別が難しい危険なふぐが存在します。
その代表格として知られるのがサバフグと外見がよく似た「ドクサバフグ」です。
釣り上げたドクサバフグを誤って食べてしまい、食中毒事故が発生した事例も実際に報告されているので十分注意しましょう。
※記事に使用している写真は「シロサバフグ」です。
各地域で注意が呼びかけられている「ドクサバフグ」とは
「ドクサバフグ」は、フグ目フグ科サバフグ属に分類される魚です。
体長約50cmに達するやや大型種で、主に東シナ海や南シナ海、東南アジアなどに本来分布していますが、温暖化の影響で徐々に北上している傾向にあり、日本国内でも発見されています。
青酸カリの1000倍といわれるほどの強力な毒素として知られる「テトロドトキシン」を持っており、内臓はもちろん筋肉にも毒があることから食用不可となっているので、誤って食べてしまった場合は生命に関わる重大な事故につながる危険があります。
そしてシロサバフグやクロサバフグ、カナフグと外見がよく似ているため間違えやすいのがドクサバフグの特徴です。
背中にある棘で判別することができますが、素人がふぐの種類を見極めるのは難しく大変危険です。間違えて食べてしまったことが原因となった死亡例も報告されています。
釣り上げたドクサバフグを素人判断で調理し、誤って食べてしまったケースが食中毒事故で最も多いことから、各地域で注意が呼びかけられています。
サバフグは正しい知識・技術を持つ有資格者による処理が必要
ドクサバフグを決して口にしないように注意しなければならない一方で、シロサバフグやクロサバフグは基本的に食用可能ですが、だからといって素人判断で調理してしまうのは大変危険です。
サバフグは海域によって毒性を持つ個体も確認されており、有毒種の場合は他のふぐと同様に猛毒テトロドトキシンを持っています。
テトロドトキシンは300度以上で加熱しても分解されず、解毒剤もなくわずか0.5〜1.0mg摂取しただけで致死量に達するといわれる恐ろしい猛毒です。
そのため、サバフグを見分けて調理するには正しい知識・技術を持つ有資格者によるが処理が必要となりますので、もしも釣り上げても持ち帰ったり、他人にあげたりするのは絶対にやめましょう!