ふぐを知る・学ぶ

産卵シーズン以降は特に注意? 相次ぐ小魚パックへの「ふぐの稚魚」混入

近年、スーパーで販売されていた小魚のパックに「ふぐの稚魚」が混入し、自主回収となった事例が度々ニュースとなっています。
保健所などでは、フグ類の多くが初夏に産卵シーズンのピークを迎えることから、この時期以降は稚魚が混入する可能性も高くなるため、より一層注意するよう呼びかけています。

全国各地で相次ぐ小魚パックへの「ふぐの稚魚」混入

小魚パックへの「ふぐの稚魚」混入は度々発生しており、2024年も3月下旬に大手スーパーが群馬県内外の8つの店舗で「生食用のしらす干し」の自主回収を行いました。
「ふぐとみられる異物が混入している」と客からの指摘で発覚したとのことで、幸いにも健康被害にはつながらなかったものの、約4600パックの自主回収が決定し、購入した方には食べずに速やかに販売店に申し出るよう呼びかける事態へと発展しました。

ふぐは、青酸カリの約1000倍といわれる強い毒を持つ「テトロドトキシン」を保有しています。
貝類やヒトデを食べることでテトロドトキシンが体内に蓄積していくことから、稚魚の場合は成魚に比べて毒素が蓄積している可能性が低いとされていますが、だからといって誤って口にしてしまうのは大変危険です。
万が一ふぐの有毒部位を食べてしまうと、しびれや運動麻痺といった神経症状だけでなく、最悪の場合は生命に危険が及ぶ恐れがあります。

スーパーで自主回収となった事例の多くが、釜揚げシラスや小アジ、カタクチイワシといった小魚のパックに、シロサバフグやクロサバフグ、サンサイフグなどの稚魚が混入していたというケースです。
関連会社では、日頃から小魚を小分けする際などは注意深く作業が行われていますが、特に産卵シーズン以降はふぐの稚魚が混入する可能性も高くなるため、誤って流通されることがないよう改めて再発防止が呼びかけられました。

「ふぐ毒」食中毒事故の原因の多くが素人による調理

ふぐが誤って販売されてしまったケースは小魚のパックだけでなく、過去には「ふぐ肝」が切り身パックに混入した事例のほか、「ふぐの白子パック」に有毒部位で知られる「卵巣」が混入してしまった例など、数多くのトラブルが報告されています。

いずれも幸い大事には至りませんでしたが、その一方でふぐ処理の資格・免許を持たない素人が釣り上げたふぐを調理して食べてしまい、食中毒を引き起こした事故が度々発生しています。
「ふぐは素人判断で食べるのは危険だ」という認識が今後さらに多くの方へと広まり、ふぐによる食中毒がゼロになることを願ってやみません。

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