ふぐを知る・学ぶ

世界的な自動車ブランドも注目?! 人気のハコフグ

広い海の中には、ふぐの王様「トラフグ」以外にも数多くの種類のふぐが暮らしています。なかでも、タレントのさかなクンが帽子を被っていることでも有名な「ハコフグ」はその可愛らしい見た目で高い人気を誇る種類の一つです。

実は、そんなハコフグの大きな特徴である箱のような四角い体型が自動車のデザインのモデルになったことがあるのをご存知でしょうか? そこで今回は、ハコフグの特徴やその独特の体型についてご紹介します。

珍しい箱型のふぐ! ハコフグの特徴

「ハコフグ」はフグ目ハコフグ科に属している魚で、主に太平洋やインド洋に生息しています。その名の通り箱のように四角い体型と、パタパタとヒレだけで泳ぐ可愛らしさから観賞魚として水族館などでも人気を博しています。

ハコフグは、数多くの種類のふぐの仲間が持つふぐ毒「テトロドトキシン」を持っていませんが、毒性物質の「パリトキシン」に似た物質を内蔵に持っている場合があるため他のふぐと同様に素人調理は大変危険です。また、皮膚にも「パフトキシン」と呼ばれる粘液毒を持っており、海の中では危険が迫るとこの毒を放って身を守っています。

そして、ハコフグの最大の特徴である四角い体型は、鱗が発達した骨板が全身を箱状に覆っているためであり、まるで鎧に身を包んでいるかのように硬い甲羅で構成されています。
その一方で、他のふぐのように大きく膨らんで体型を変えることができないだけでなく、ヒレなど一部の部位しか動かせないため体をくねらせて速く泳ぐことができないという特徴を持っています。

世界的な自動車ブランドも「ハコフグ」に注目

ハコフグの四角い箱のような独特な体型は、かつて世界的な大手自動車ブランドのメルセデス・ベンツがハコフグから着想を得たコンセプトカーを開発し、2005年に初めて披露された際には大きな注目を集めました。

自動車の外装デザインには、サンゴ礁で見られる「ミナミハコフグ」という種類のふぐがイメージに採用され、水中では空気抵抗が大きそうに見える四角い体型が実は優れた機動性を持っているという点に着目し、低燃費で空気抵抗の少ない自動車の開発に役立ちました。
さらに、ハコフグの強固な四角い体型を手本にした構造にすることで、自動車の衝突安全性と強度を損なわずに軽量化が実現したそうです。

このように、生物の構造や優れた機能から着想を得て新しい技術やものづくりに役立てることを「バイオミメティクス(生物模倣)」と呼び、ハコフグの四角い体型を応用した技術も今後さらなる発展を遂げていくことが期待されています。

まとめ

ハコフグの特徴やその独特の体型についてご紹介しました。ハコフグが世界的な自動車ブランドから注目され、デザインのモデルになっていたことに驚かれたという方も多いのではないでしょうか?
もしかすると近い将来、トラフグをはじめとする数多くのふぐの中から意外な形で体の構造や機能が応用され、私たちの暮らしが豊かになったという日も来るかもしれませんね。

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