ふぐを知る・学ぶ

謎多きふぐ? 深海に住むウチワフグ

ふぐは身の危険を感じると、体をプクっと風船のように丸く膨らませる特徴があることで知られています。
しかし、ふぐの中には風船状ではなく、うちわのように広がる種類がいることをご存知でしょうか?

今回は、ふぐの中でも珍しい種類といわれている「ウチワフグ」をご紹介します。

うちわのように広がるふぐ?! ウチワフグとは

「ウチワフグ」は、フグ目ウチワフグ科に分類されている深海性のふぐです。
主にインド洋や西太平洋の深海に生息しており、国内では沖縄などで発見されることがあります。

ふぐは身の危険を感じると、お腹を風船状に丸く膨らませる特徴があることが一般的に知られていますが、ウチワフグは風船状ではなくうちわ状に腹部が広がります。
さらに、ウチワフグは英名では「Threetooth puffer(三本歯のふぐ)」と呼ばれています。その名のとおり上顎に二本、下顎に一本と、計三本の歯が生えていることが由来となっており、通常は歯を四本持つふぐとは特徴が異なります。

このような特徴を持つふぐはウチワフグしかいないといわれており、深海に住む珍しいふぐの仲間として知られています。

深海に住むウチワフグは謎が多い?

深海に住むウチワフグは発見されても飼育が難しく、これまで生態がなかなか解明されない謎多き魚とされていました。

そんな中、沖縄の「沖縄美ら海水族館」では2016年にウチワフグの行動観察に成功し、うちわ状に広がるときの腹部の動きなどを解明した論文が世界で初めて発表されて大きな話題となりました。
研究では、ウチワフグは水槽内でほかの魚が接近するとうちわ状に広がることが確認され、ほかのふぐが風船状に丸く膨らむときと同じように外敵に対しての威嚇行為ではないかと考えられるようになりました。

今回の発見は、これまで詳しいことがほとんど分かっていなかったウチワフグの生態の解明に近づく大きな一歩となり、今後のさらなる研究に期待が寄せられます。

まだまだ知られていないふぐがいるかも?!

「ふぐの王様」として知られているとらふぐをはじめ、数多くいるふぐの種類の中でもうちわのように体を広げる「ウチワフグ」はご存知なかったという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ウチワフグのほかにも、実は海にはまだまだ私たちに知られていないふぐが生息しているのかもしれませんね。
もしかすると、その中には新たにふぐ料理として親しまれるような味や食感を持つ種類が存在する可能性もありますので、今後の新たな発見に期待ですね!

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