ふぐを知る・学ぶ

釣り上げたら要注意! ふぐだけじゃない鋭い歯を持つ魚たち

猛毒「テトロドトキシン」を持つことで有名なフグは、ピラニアに匹敵するといわれる鋭い歯も大きな特徴の一つです。
そのため、海や川などで釣り上げても素手でむやみに触らないように注意が必要ですが、「鋭い歯を持つ魚」はフグだけではありません。

そこで今回は、知らないと危険な鋭い歯を持つ魚たちをご紹介します。

素手で触るのは危険! 鋭い歯を持つ魚たち

フグ

フグは、上下それぞれ2枚、計4枚のクチバシのような板状の歯を持っています。
フグの歯はとても丈夫・強力で、その切れ味はピラニアにも匹敵するといわれ、エビやカニなどの甲殻類や貝をも噛み砕いて捕食してしまうほどです。
フグの養殖場では、成長したトラフグ同士が噛み合ってお互いに傷つけてしまうのを防ぐために「歯切り」という作業が行われており、作業時は噛まれて大怪我しないように必ず軍手などを着用しています。
なお、トラフグなどが属するフグ科の魚は4枚の歯を持っていますが、フグの種類によっては2枚、もしくは3枚の歯を持つものもいます。

カマス

カマスは、尖った大きな口とやや突き出た下顎が特徴的で鋭い歯を持っています。
主に沿岸部に生息し、群れを作って活発に泳ぎ回ることから数釣りも楽しめます。ただし、その鋭い歯で釣り糸を切られてしまうことも少なくないだけでなく、噛まれると怪我をする恐れがありますので注意が必要です。
一部の地域では、サメよりも危険な存在と捉えられているほどの攻撃性を示す魚類の一つです。

エソ

エソは種類によって全長10cm〜大きなもので70cmほどとなり、目の後ろまで大きく開く口が特徴的で細かい歯が無数に並んでいます。その歯で釣り糸を切ってしまうことが多々あるため、釣り人からは嫌われやすい傾向にあります。
小さなものでも噛まれると歯が鋭いので指や手を怪我しないように注意が必要です。
なお、エソは「かまぼこ」などの練り物の原材料として使われているので、知らず知らずのうちに口にしている方も多い魚です。

ダツ

ダツは日本を含む全世界の熱帯・温帯域に生息し、その細長いフォルムと鋭く尖ったくちばしのような口が非常に特徴的で、英語では「ニードルフィッシュ」(針の魚)と呼ばれています。
ダツは歯が鋭いだけでなく、その長く尖った口が人体に刺さってしまった事件があるほど非常に危険な魚として知られており、一部の漁師のあいだではサメよりも恐ろしいといわれています。
釣り上げて針を取り外す際は、鋭い歯で噛まれないように注意深く作業してください。

タチウオ

タチウオは、名前の由来は諸説ありますが体が細く銀白色に輝く姿が「太刀」に似ていることから「太刀魚」、又は垂直に立ち泳ぎをして獲物を狙う習性から「立ち魚」という主に二つの由来があります。
おいしい魚として知られ、船・岸釣り問わず人気な一方で、ナイフのように鋭い歯を持っているため釣り上げた際は要注意です。
少し歯に触れてしまうだけでもスパッと切れてしまう恐れがありますので、扱うときは手袋などをして身を守ることが推奨されています。

このほかにも、海のギャングと呼ばれるウツボ、海のエイリアンともいわれる珍魚ワラスボをはじめ、マダイやクロダイ、ヒラメやサゴシなど歯が鋭い魚は様々です。

鋭い歯を持つ魚の取り扱いには十分注意を

知らないと危険な鋭い歯を持つ魚たちをご紹介しました。
特に「これから釣りを始めてみよう!」という初心者の方など、魚を扱う経験が浅い方は釣り上げてもむやみに触ることがないように必ず「フィッシュグリップ」などの魚を掴むアイテムを使用し、しっかり手袋をして取り扱いには十分注意してくださいね。

また、もしもフグを釣り上げた場合は猛毒・テトロドトキシンによる事故を防ぐためにも素人判断によって調理して食べてしまうのは絶対に避けましょう。
誤って口にするのが危険な魚については、ふぐマガで過去に取り上げていますのでぜひそちらもご覧ください。(ふぐ毒・テトロドトキシンだけじゃない! 魚たちが持つ毒の種類)

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