ふぐを知る・学ぶ

「ふぐ引き包丁」の歴史と他の包丁との違いとは?

ふぐ料理の代表格ともいえる「ふぐ刺し」。
透き通ったふぐのお刺身が大皿の上に綺麗に1枚ずつ盛り付けられていく様子は、まるで芸術品のようでもあり食べるのを思わずためらってしまうほどの美しさで多くの人々から愛されています。

ふぐのお刺身は「薄造り」と呼ばれ、他の魚と比べてかなり薄く切られていることが大きな特徴です。
これにはふぐ料理人の熟練された技術に加えて「ふぐ引き包丁」と呼ばれる包丁が欠かせませんが、他の料理用に使われる包丁とはどんな違いがあるのかご存知でしょうか?
そこで今回は、ふぐ引き包丁の歴史や特徴についてご紹介します。

ふぐ引き包丁誕生の地は大阪

「ふぐ引き包丁」は、大阪府堺市にある1872年創業の水野鍛錬所によって開発され世の中に広まっていったといわれています。
ふぐ引き包丁が作られた正確な年代は特定されていませんが、一般的には禁止されていたふぐ食が全国的に解禁されて広まり始めた1892年頃ではないかと推測されています。

大阪はふぐ消費量が日本一の地域であり、ふぐ料理屋やふぐ職人も他の地域と比べて多かったため、より調理がしやすく良いふぐ料理を作りたいという要望を受けてふぐ引き包丁が誕生したのだそうです。
なお、ふぐ食解禁までのこれまでの歩みについては、ふぐマガで過去に取り上げていますのでぜひそちらもご覧ください。(今年はふく食解禁130周年! 記念ロゴマークが発表)

薄造りにふぐ引き包丁が欠かせないのは何故?

ふぐ刺しの薄造りに欠かせない「ふぐ引き包丁」は、刃の厚さ3ミリ以下と非常に薄く作られており、一般的な刺し身包丁とは大きく異なります。
刃渡りは長く、反りの強い刃先を持っているのが特徴です。
また、「ふぐ引き」とは包丁をふぐの身の奥側から手前に引いて薄く削ぐ切り方から名付けられた呼び名であり、「てっさ包丁」とも呼ばれています。

ふぐの身を包丁で引くときは、身の細胞を傷つけずに長い刃で一気に引き切るのが重要となります。細胞が壊れてしまうとふぐの美味しさが損なわれてしまうからです。
ふぐ引き包丁は、いかにひと引きで美しく切れるかを第一に考えて作られた特殊な包丁なのです。

ふぐの身は人間の顎では噛み切りにくいほどの弾力を持っており、他の魚のお刺身と同じ厚さに切って食べてもなかなか噛み切れず、旨味を楽しめない可能性があります。
そこで、ふぐの味や歯ごたえを楽しめるようにと「薄造り」という調理法が生み出され、旨味を損なわず絶妙な薄さで引くためにふぐ引き包丁が使われるようになりました。

下関の熟練の職人が調理した「ふぐ刺し」が通販で楽しめる!

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「ふぐ引き包丁」は、「多くの人々にもっとふぐの味を楽しんでもらいたい」という料理人の試行錯誤を経て使われるようになった歴史についてはこれまでご存知なかった方も多いのではないでしょうか?
まるで芸術品のように薄く切られて大皿に盛り付けられたふぐ刺しは、実はふぐの身の細胞を傷つけないようにと、いかにひと引きで美しく切れるかを第一に考えて作られています。

そして見事な薄造りのふぐ刺しには、ふぐ引き包丁を扱う料理人の腕も欠かせません。ふぐの本場として知られる下関の熟練の職人が調理した上質なふぐ料理をぜひ味わってみてはいかがでしょうか?

下関の老舗ふぐ問屋が運営する「下関さかいオンラインショップ」では、今回ご紹介した「ふぐ刺し」以外にも様々なおすすめのふぐ料理が豊富に揃っています。
様々なイベントやシーズンに合わせたキャンペーンも実施していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

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