ふぐを知る・学ぶ

明治時代から続く?! ふぐの「延縄漁」とは

ふぐ漁には、一本釣りや網漁などさまざまな漁法があります。
その中でも「延縄漁(はえなわりょう)」は、明治時代から今なお続く伝統的な漁法です。

ふぐの延縄漁とは、どんな漁法なのでしょうか。
今回は、伝統的なふぐ漁法、「延縄漁」についてご紹介いたします。

漁業資源に優しい? 延縄(はえなわ)漁とは

延縄漁の「延縄(はえなわ)」とは、古くから漁業に使われている漁具の一種です。

具体的には、「幹縄(みきなわ)」と呼ばれる長いロープを主として、先端部に釣り針や疑似餌をつけた「枝縄(えだなわ)」と呼ばれる複数の短いロープを、一定の間隔をあけてのれんのように取り付けたものを「延縄」と呼びます。

この延縄を用いた漁法を「延縄漁」と呼びます。幹縄の長さは数100mから長いものだと100kmを超えます。

延縄漁は、漁場に延縄を仕掛けることを「投縄(なげなわ)」、魚が針に食いつくのを待ってしばらく放置し、引き上げ作業で回収して魚を収穫することを「揚縄(あげなわ)」と呼びます。

延縄漁は狙った魚だけをピンポイントで収穫することが可能で、獲る魚の量のコントロールもしやすいため漁業資源に対して優しい漁法だといわれています。
網を使う漁法に比べて時間や手間がかかることがネックでしたが、現在では機械によって縄の取り付けから魚の回収までも行なう自動化が進んでいます。

延縄漁はふぐのほかに、主にマグロ、サケやタラをはじめとする海洋での漁や、ウナギやコイなど河川での漁でも行われています。

山口県が発祥の地?! ふぐの延縄漁

ふぐの延縄漁の方法は、明治時代に山口県の周南市粭島(すくもじま)から始まったとされています。

ふぐは鋭い歯を持っていて、ロープを噛み切って逃げてしまうことが多かったため、鋼線を使った延縄漁は次々と普及・浸透していきました。

このふぐの延縄漁法は、高松伊予作さんをはじめとする粭島の漁師らが考案しました。ふぐを傷めることなく新鮮なまま収穫できる漁法として、大正11年には平和記念東京博覧会で褒賞を授与されています。

周南市粭島には、ふぐ延縄漁の発祥の地であることを示す「ふぐ延縄発祥の碑」が設置されているので、山口県にお越しの際は足を運んでみるのも良いかもしれませんね。

毎年行われる「ふぐ延縄漁船出航式」の裏に見える伝統継承

山口県下関市彦島の南風泊(はえどまり)市場では、山口県延縄協議会主催の「山口県ふぐ延縄船団」の出航式が毎年9月1日に行われています。

この出航式は、日本海のふぐ延縄漁業解禁日に合わせて航海の安全と豊漁を祈願する式典です。約100名前後の関係者が集まり、大漁旗を掲げた漁船の出航を見守ります。
減少傾向にある天然とらふぐの資源保全活動も同時に行われ、出航する漁船にはとらふぐの稚魚を積み込み、山口県沖合で放流しています。

近年、ふぐの延縄漁を行う漁船の数は年々減少し続けています。
1980年代の下関地域では200隻以上が操業していましたが、2000年代に入ると一時は30隻以下にまで減少してしまいました。
ここ数年、山口県延縄協議会に所属している船で50隻前後と、現在も決して多くはない数にとどまります。

ふぐ漁にとってなくてはならない漁法のひとつ「延縄漁」。
出航式などを通じてふぐの延縄漁への認知・理解を一般の方にも深めてもらい、ふぐの魅力とともに100年以上続くふぐ延縄漁の伝統を、次世代にも伝えていって欲しいものですね。

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