ふぐを知る・学ぶ

「フグ毒」以外に思わぬ落とし穴も? 代表的な食中毒について

「ふぐ刺し」や「ふぐちり」をはじめ、様々なふぐ料理が楽しめる冬のふぐシーズンを毎年楽しみにしている方は多いことでしょう。
しかし、その一方でこの時期はふぐを取り扱う免許・資格を持たない素人が調理して食べてしまい、その結果フグ毒(テトロドトキシン)による食中毒を引き起こしてしまったという事故が度々起こっています。

このような事故をゼロにするためにも、ふぐは素人判断では絶対に調理してはいけないという認識が世間にしっかり浸透することを願うばかりですが、「食中毒」は他の食品でも思わぬ原因によって起こる可能性があるため、常日頃から注意しておくことが大切です。
そこで今回は、フグ毒をはじめとする代表的な食中毒についてご紹介します。

「フグ毒」による症状が起こる原因は? 主な食中毒の種類

「食中毒」とは、食中毒を引き起こす細菌やウイルス、又は有毒・有害な物質が食べ物と一緒に体内に入ることで起こる健康被害を指します。
主な症状としては、下痢や腹痛、嘔吐や発熱、頭痛、唇・舌・指のしびれなどが挙げられ、最悪の場合は命を落とす危険があるため決して油断できない怖い病気なのです。

細菌性食中毒(サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌、黄色ブドウ球菌、セレウス菌等)

細菌が原因となる「細菌性食中毒」は、6~9月ごろの温度・湿度が高い時期に比較的起こりやすく、細菌が付着した食べ物を口にすることで引き起こします。
具体的には、細菌が付着した卵・魚・肉・野菜などの食材を生で食べたり、加熱が不十分であったりした場合のほかに、ニキビや傷を触った手で食べ物に触れたことで起こる恐れもあります。
また、食べ物を温かい部屋で長時間置いたままにしておくのも細菌が増殖する原因となりますので注意が必要です。

ウイルス性食中毒(ノロウイルス等)

低温・乾燥した環境で長く生存するウイルスによる「ウイルス性食中毒」は冬に流行しやすく、食べ物と一緒に体内に入ることで増殖して症状を引き起こします。「牡蠣にあたる」といった言葉が有名な牡蠣による食中毒も多くがウイルス性に分類されます。
ウイルスが付着した手で触れたり、加熱不十分な食品を食べたりすることで口から体内に入って感染するほか、井戸水などを飲んで感染することもあるので注意しましょう。

自然毒性食中毒(フグ毒等)

フグ毒(テトロドトキシン)による食中毒は「自然毒性食中毒」に分類されます。
自然毒性食中毒はツブ貝や毒キノコなども分類され、動物や植物が元々保有している、又は食物連鎖によって体内に蓄積されていた有毒成分を誤って口にしてしまったことで症状を引き起こします。

フグ毒の場合は熱で分解されることがなく、通常の調理では毒素がなくならないため絶対に素人判断で調理せず、正しい知識・技術を持った有資格者による処理が必須となります。
フグ毒については、ふぐマガでも過去に取り上げていますので是非そちらもご覧ください。(本当は怖いふぐの毒 〜素人調理ダメ絶対!〜)

そのほかにも、動物や魚などの体内にいる寄生虫が原因となる場合や、農薬などの混入が原因となって起こる食中毒もあります。

おいしく安全にふぐ料理を楽しもう!

家庭内での食中毒を予防する基本的なポイントとしては、食材の調理・食事前の手洗いを徹底し、細菌やウイルスが付着しやすい包丁・まな板といった調理器具や食器などの衛生状態の管理も重要です。

また、調理前に洗える食材についてはしっかりと水で洗うほか、多くの細菌やウイルスは熱に弱いため十分に加熱し、生ものなどはなるべく早く食べるよう心がけましょう。もちろん温かい部屋には長時間置かないよう心がけ、すぐに食べない場合は冷蔵庫に入れて低い温度で保存してください。

そして、正しい知識・技術を持つ有資格者が捌いたふぐを購入することも重要です。基本的な注意点は必ず守っておいしく安全にふぐ料理を楽しみましょう。

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