ふぐを知る・学ぶ

本当は怖いふぐの毒 〜素人調理ダメ絶対!〜

綺麗な薔薇には棘がある。美味しいふぐには毒がある?

高級食材として確固たる地位を築いている「ふぐ」。
しかし、今も昔もふぐに含まれる毒「テトロドトキシン」による中毒が後を絶ちません。

最近も、大阪で有毒部位である肝を提供したことや、名古屋の飲食店ではトラフグの卵巣を食べた人が中毒症状を発症したことがニュースで報じられました。
名古屋の店では条例に基づいた適切な届け出も行なわれておらず、経営者がフグの調理資格を持っていたかどうか等も含め、現在調査中とのことです。

ふぐ毒の「テトロドトキシン」とは?

ふぐが体内に蓄積していく毒素「テトロドトキシン」は、現在も解毒剤のない大変強力で恐ろしい毒物です。
その毒力は、青酸カリの1000倍とも言われており、わずか0.5〜1.0mgで致死量に達します。
塩もみ等の調理や、熱で分解されることもないので、通常の調理では毒素がなくなることはありません。

テトロドトキシンに冒されると、まず唇・舌のしびれに始まり、次第に運動・知覚などに麻痺が起こります。最終的には呼吸中枢までも麻痺し、呼吸停止し死に至ることもあります。

このように非常に恐ろしい毒素・テトロドトキシンを持つふぐですが、正しい知識・技術を持つ有資格者がしっかりと除毒処理をすることで、私たち消費者は安心して美味しいふぐ料理を口にできるのです。

有資格者によるふぐ調理を

そもそも、毒を持つふぐを扱うためには、各都道府県の定めるふぐ条例に基づいた講習を受け、学科・実技試験等に合格したものに与えられる免許が必要です。

一般にふぐを提供している飲食店では、有資格者がふぐを処理、または完全に除毒された「身欠き(みがき)ふぐ」を使用しているため、消費者に安全なふぐを提供できるのですが、今回のようなケースがあるとその信頼を損ないかねず、非常に残念でなりません。

また、海釣りなどで釣り上げたふぐを自宅で調理し、中毒を起こす方が後を断ちません。平成25年にふぐ中毒報告があった16件のうち、12件が家庭で発生したものでした。

ふぐの有毒部位は種類ごとに異なり、またふぐ毒には個体差もあることから、素人判断は非常に危険です。
必ず各都道府県知事等が認めた専門のフグ取扱者・施設に処理を依頼し、決して無免許で安易に調理しないでください。

ふぐの免許の統一を

各都道府県でふぐを扱うための免許や条例はあるものの、その名称や資格取得条件等は統一化されていません。
今後、全国的にふぐの免許統一がなされ、消費者が日本全国どこでも必ず一定の条件をクリアしたお店で安心してふぐを食べられるようになって欲しいと思います。(ふぐの免許・資格について詳しくはこちら

毒を有し、昔から命を落とす人がいたにもかかわらず、その美味しさゆえ、長年人々が追い求め愛してやまないふぐ。
安心して美味しいふぐをこれからも食べ続けていくためにも、免許・資格を持つものは一切中毒など起こさないよう徹底していくこと、消費者はきちんと免許・資格のある店を選ぶことが必要なのではないでしょうか。

さかいの夏ふぐ
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