ふぐを知る・学ぶ

ふぐ毒だけじゃない! 暑い時期の食中毒にも注意を

「食中毒」は細菌やウイルス、寄生虫のほか、ふぐが持つ猛毒・テトロドトキシンや毒キノコといった自然毒によるものが主な原因に挙げられますが、特に暑い時期は細菌性の食中毒に気をつけなければなりません。
ふぐの本場・下関市でも、8月の食品衛生月間に合わせて衛生教室を開催するなどして、魚介類の取り扱いを中心に注意を呼びかけています。

魚や肉など家庭内での食中毒に注意!

食中毒は飲食店だけでなく、家庭内でも起こる可能性が十分にあります。特に9月頃までの暑い時期には高温多湿な状態が続くため、細菌による食中毒が発生しやすくなります。
代表的な細菌としては、鶏肉や牛肉などに付着し発生件数も多い「カンピロバクター」や「腸管出血性大腸菌(O-157など)」、煮込み料理や煮付けの温度管理不備による「ウェルシュ菌」、人の手から感染する「黄色ブドウ球菌」が挙げられます。

食中毒を引き起こす細菌は30度〜40度の環境で最も増えやすくなり、食品に付着していても見た目や味、匂いに変化はないため取り扱いに不注意があると思わぬトラブルが起こる危険があります。
そのため、食事の準備を行う際は細菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」の三原則を守りましょう。
具体的には手洗いはもちろん、食品も洗えるものはしっかり洗う、魚や肉はラップでしっかり包んで他の食品にくっつけない、冷蔵庫や冷凍庫を活用して菌が増えやすい場所に置かない、料理するときは殺菌・消毒を怠らないといった対策が基本的なポイントです。

おいしく安全にふぐ料理を楽しもう

細菌やウイルスのほかには、ふぐが持つ猛毒・テトロドトキシンや毒キノコといった、動物や植物が元々保有している、または食物連鎖によって体内に蓄積している有毒成分が原因となる「自然毒性食中毒」があります。
特にテトロドトキシンの場合は熱で分解されることがなく、通常の調理方法では毒素がなくならないため、正しい知識と技術を持つ有資格者による処理が必要となります。

しかし、資格を持たない素人が誤ってふぐを調理して食中毒になってしまったという事故は全国各地で例年20〜30件発生しているといわれています。
テトロドトキシンは解毒剤がなく、青酸カリの100倍といわれるほど強力な毒素で、わずかな量を摂取しただけで致死量に達する恐ろしい猛毒です。

そのため、万が一ふぐを釣り上げても素人判断で調理したり、人にあげたりするのは絶対に避けてください。
また有資格者があらかじめ捌いたふぐを自宅で調理する場合も、食品の取り扱いには十分注意しておいしく安全にふぐ料理を楽しみましょう。

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