ふぐを知る・学ぶ

江戸時代の俳句にも?! 釣り人から人気のショウサイフグ

「ふぐ」といえばトラフグが冬の最高級食材として有名ですが、海釣りを楽しむ人々からは「ショウサイフグ」という種類が初心者にも優しい魚として親しまれていることをご存知でしょうか?
実はショウサイフグは、江戸時代に松尾芭蕉が詠んだ俳句に登場するふぐなのではないかとも言われています。

そこで今回は、はるか昔から変わらず親しまれ続けているショウサイフグについてご紹介します。

松尾芭蕉が愛したふぐ? ショウサイフグとは

ショウサイフグは、フグ科のトラフグ属に分類されている魚です。別名で「ナゴヤフグ」などとも呼ばれ、東北以南の日本各地で生息しています。
体に黄色い線が縦走り、棘がないのが特徴で、他の種類のふぐと同様に猛毒のテトロドトキシンをもっています。またトラフグと異なり、皮にも毒があるので要注意です。

日本では古くから人々に親しまれてきたふぐであり、江戸時代には下町の味として愛されていました。
「奥の細道」で知られる江戸時代の俳人、松尾芭蕉が詠んだ「あら何ともなきや きのふは過ぎて ふくと汁」という有名な俳句に登場する「ふくと(ふくとう)汁」は、ショウサイフグのことなのではないかとも言われています。
そして現在でもショウサイフグは、そのプリッとした食感と繊細な味わいの白身をお刺身や唐揚げなどにしていただくのが人気で、特に鍋にすると美味しい出汁がしっかりと出るのでオススメです。

「エサ取りの名人」?! 釣り人から人気のショウサイフグ

ショウサイフグは、主に関東を中心にレジャーとして海釣りを楽しむ人々から人気の魚でもあります。一年を通して釣れる魚で、釣り初心者の方でも気軽に楽しめるのでショウサイフグの釣り船も運行されています。帰りには、釣ったふぐを有資格者のスタッフが捌いて毒を取り除いた身欠をお土産として持ち帰ることもできます。

また、ショウサイフグは釣り人のあいだでは「エサ取りの名人」として知られており、小さい口でエサだけを食べ去っていくふぐとの駆け引きが醍醐味なのだそうです。
しかし、ショウサイフグは多くの釣り人から親しまれている一方で、素人調理による事故を起こしたという例もあるため、調理資格を持つ方がいない場合は釣り上げても捌いて口にすることがないよう注意が必要です。

さらに、近年はショウサイフグとゴマフグの見た目が混ざった雑種が大量に発見され、プロでも毒が存在する部位を判別するのが難しい場合がありますので、まずは絶対に有資格者の方の指示に従いましょう。
ショウサイフグとゴマフグの雑種については、過去にふぐマガで取り上げていますのでそちらをご覧ください。(ふぐの生態系に異変?ショウサイフグとゴマフグの交雑が発見)

下関で美味しいふぐの味を堪能しよう!

はるか昔から親しまれ続けているショウサイフグの魅力についてご紹介しました。現在も釣り人を中心に多くの方から馴染みの深いショウサイフグですが、松尾芭蕉が詠んだ俳句に登場したふぐともいわれていますので、是非一度その味を堪能してみてはいかがでしょうか?
しかし、他のふぐと同様に猛毒を持つことに変わりありませんので、釣り上げても持ち帰って素人による調理は絶対に行なわないようにしてください。
そして、安心・安全にふぐを楽しむなら、やはりふぐ料理店へ足を運ぶのがオススメです。ふぐの本場・下関なら、ふぐの王様トラフグをはじめ、さまざまな種類のふぐ料理が味わえますよ。

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