ふぐを知る・学ぶ

ふぐ刺しの魅力を支える「お皿」の話

ふぐ料理の代名詞とも言える「ふぐ刺し」は、職人が指先の感覚と繊細な包丁さばきによって、ふぐの身を薄く薄く、向こう側が透けるほど薄く削いでお皿に美しく盛り付ける、食の芸術品とも言えるものです。

繊細な薄さになったふぐの身は、その薄さを際立たせるために絵柄の入った大皿に盛り付けられることが多いのですが、今回はそんなふぐ刺しに使われるお皿にクローズアップしてみます。

ふぐ刺しに使われる代表的なお皿

美しい絵柄が薄いふぐの身から透けて見えることで、一層芸術性を増すふぐ刺しですが、ふぐ刺しのお皿は一般的に「有田焼」や「美濃焼」が多く使われています。

「有田焼」は、佐賀県有田町を中心とした地域で焼かれる磁器のことを指し、その磁器は伊万里港から国外へ輸出されていたこともあり、「伊万里(いまり)焼」とも呼ばれています。
ガラスのようななめらかな質感と薄さを持ちながらも、陶器より硬く丈夫です。また、繊細で華やかな色絵付けが大きな特徴です。

「美濃焼」は、岐阜県土岐市、多治見市、瑞浪市、可児市を中心とした地域で焼かれる陶磁器の総称です。多種多様な陶磁器が作られていて、ひとつの焼き物のスタイルを持っていないために特徴がないことが特徴などとも言われたりしています。
全国で流通する陶磁器のほぼ半数を美濃焼が占めています。

ふぐ刺しは色絵付きのお皿に盛られる他、淡く美しい青色が特徴の青磁皿など、青や藍、黒などの色付きの無地皿に盛られている場面も多く見られます。
白ではなく色付きのお皿が用いられるのは、ふぐ刺しの透けるような薄さを強調するためとも言えそうです。

ふく恋盛り

その他、以前ふぐマガでもご紹介した「ふく恋盛り」では、ピンクの萩焼が使われています。
「萩焼」は山口県萩市で作られている陶器です。「貫入(かんにゅう)」と呼ばれる、釉薬に細かに入るひびのような模様が特徴です。

ふく恋盛りで使われている萩焼は、白いふぐの身からお皿のピンクが透けて見えることで、ハート形に盛られたふぐ刺しを一層優しくキュートに見せてくれています。
まさにお皿とふぐ刺しの演出による相乗効果が生まれているのではないでしょうか。

ふぐ刺しの通信販売ではプラスチック製のお皿も

美しく盛られた状態で届くふぐ刺しの通信販売も近年人気が高まっています。
陶磁器のお皿に盛られたふぐ刺しは高級感が増すほか、美味しくいただいた後もお皿だけ繰り返し使うことができるものの、輸送中の破損などのリスクは捨て切れません。

そのため、陶器のお皿に見立てたプラスチック製のお皿に盛られたふぐ刺しも、通信販売でよく見られるようになりました。軽くて処分に困らない一方、やはり陶磁器のお皿に比べると味気ないのは否めません。

ご自宅用はプラスチック皿、初めての利用時やご贈答用には陶磁器のお皿を選択するなど、利用シーンによって上手に使い分けたいですね。

ふぐ刺しのお皿の処分に困ったら…?

陶磁器のお皿の方が高級で何度も利用できるとはわかっていても、何枚も溜まってくると処分に困りますよね。
ふぐマガを運営する酒井商店では、自他店問わず通信販売を利用して処分に困ったふぐ刺しの陶磁器の「お皿の回収サービス」も行っています。
お皿1枚につき1ポイント1円として通販利用時に使える「ふくふくポイント」が500ポイント付与されるので、お得にリサイクルができます。
こんなお得なリサイクルがスタンダードになるといいですね。

ふぐ刺しの魅力を支えるお皿のお話はいかがでしたか?
これからふぐ刺しを食べるときは、ぜひお皿にも注目してみてください。
新たなふぐ刺しの楽しみ方ができると思いますよ!

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