2025年4月29日(火・祝)、ふぐの取扱量が日本一を誇ることで知られる山口県の下関・南風泊(はえどまり)市場で、「下関ふく供養祭」が今年も開催されました!
日本で最も歴史が古い「下関ふく供養祭」
「下関ふく供養祭」は、今シーズンに水揚げされたふぐの命に感謝するとともに、来シーズンの豊漁や航海安全を祈願する、ふぐ業界最大の伝統行事です。協同組合下関ふく連盟(現一般社団法人下関ふく連盟)の主催で、1930年から行われています。
東京・西光寺をはじめ、日本各地で行われている「ふぐ供養祭」の中でも最も歴史が古いことで知られており、毎年ふぐシーズンが落ち着く4月、ふぐの語呂合わせである「29日」に開催されています。
86回目を迎えた今年は、全国から水産関係者ら約300人が参列しました。
祭壇には、島根県沖で獲れた重さ約4.7キロの天然トラフグが泳ぐ水槽が供えられ、読経が響き渡る中、参列者は手を合わせて焼香・供養しました。
また、ふぐ市場の発展や消費拡大などに功績のあった関係者を称える表彰式も行われ、今シーズン最大の10.8キロのトラフグを水揚げした漁船へ「大ふく賞」が授与されました。
式典後は、市場そばの岸壁で、地元の小学校の子供たちによって体長7センチほどのトラフグの稚魚が数千匹放流され豊漁と航海安全を祈願しました。
来シーズンのふぐ豊漁に期待
「下関ふく供養祭」は、ふぐシーズンの終わりを全国に告げる毎年欠かせない行事です。
下関ふく連盟の郷田祐一郎理事長は、「地球温暖化の影響でふぐの漁場が北方に広がっています。下関にはふぐの歴史や文化がありますが、本場におごることなく新しいものを取り入れていきたい」と挨拶し、幕を閉じました。
今年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中断されていた放流船が久しぶりに出され、祭壇に供えられていた20匹ほどのふぐの成魚も沖合で放流されました。
来シーズンもふぐの豊漁を期待し、「幸ふく(福)」に迎えられるよう楽しみに待ちましょう!