2017年4月29日、今年で78回目となる「下関ふく供養祭」が下関市の南風泊(はえどまり)市場で開かれました。
下関ふく供養祭は、協同組合下関ふく連盟主催で1930年から続いている伝統行事です。日本国内で最も歴史あるふぐ供養祭としても知られています。
ふぐシーズンが終わる4月に、「ふぐ」の語呂合わせである29日と決めて毎年行われています。
会場全体がふぐ一色に
例年通り、全国より供えられた多数の花環が会場の壁面を覆いつくし、壁面や花環、会場に吊るされた横断幕に至るまで、随所にふぐの絵があしらわれ、会場全体からもふぐへの感謝の気持ちが表現されていました。
広いセリ場も、この日ばかりは各地からの大勢の参列者であふれかえりました。
漁業者・養殖業者への感謝状授与などの後、今シーズンのふぐ漁の無事と、いただいたふぐの命への感謝を込めた読経・焼香が行われました。
式次第は例年と同じでしたが、下関ふく連盟の理事長が前任の原田光朗氏の死去にともない見原宏氏へと代わり、下関市長も今年3月に行われた市長選挙により、中尾友昭氏から前田晋太郎氏へと代わったことが昨年と大きく異なる点となりました。
式典後は、多くの関係者に見守られながら、地元・西山小学校の生徒によるとらふぐの稚魚3000匹の放流なども行われました。
職人によるふぐ刺しの実演披露も
懇親会では、今年2月にふく刺しの宮家献上を行った酒井商店の社員・寺戸さんが、多くの人に囲まれる中ふく刺しの調理の実演披露が行われました。
見物していた周りの方は見事な包丁さばきに感嘆の声をあげたり、思い思いに写真や動画の撮影を行ったりしていました。
調理披露後、寺戸さんは「2月の宮家献上時のマスコミへの調理公開より、今日のふぐ料理の専門家の方々への披露のほうが緊張しました。」と語っていました。
来場者はふぐへの感謝の気持ちとともに、来季の豊漁と、ふぐ漁の安全を祈願し、今年もふく供養祭は滞りなく終了しました。