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水産物では初!「下関ふく」が地理的表示保護制度に登録!

「下関ふく」が水産物としては初めて地理的表示に登録

2016年10月12日、農林水産省が地域の農林水産物や食品をブランドとして保護する「地理的表示保護制度(GI)」の対象として、山口県下関市地方卸売市場南風泊市場に入荷した国産の天然・養殖とらふぐを、下関唐戸魚市場仲卸協同組合の組合員がみがき(除毒など)処理をおこなった「下関ふく」が新たに登録されました。

「下関ふく」は、伊藤博文が生きた明治時代からの長い歴史の中で培われた仲卸業者の目利きと、高い鮮度を保ったふぐ処理(みがき処理)の技術力の高さが評価されました。

2015年12月に開始された理的表示保護制度ではこれまで、兵庫県の「但馬牛」や北海道の「夕張メロン」などの農林水産物が登録をされていましたが、水産物としては「下関ふく」が初めての登録となります。

「地理的表示保護制度(GI)」とは?

地理的表示保護制度(GI)は、平成26年6月に制定された、特定農林水産物等の名称の保護に関する法律です。

長年地域で育まれた伝統と特性を有する農林水産物食品のうち、品質等の特性が産地と結び付いており、その結び付きを特定できるような名称(地理的表示)が付されているものについて、その地理的表示を知的財産として保護し、生産業者の利益の増進と需要者の信頼の保護を図ることを目的としています。

地理的表示保護制度に登録された場合、「GIマーク」と呼ばれる印の表示が可能となり、産品の確立した特性と地域との結び付きが見られる真正な地理的表示産品であることを証明することができます。(GI: Geographical Indications)

「下関ふく」のブランドとしてみなされるための条件

今回の登録に際して、農林水産省は下記の項目でそれぞれ規定の条件(生産方法について)を設け、このすべてを満たしたふぐが「下関ふく」のブランドとしてみなされます。
※農林水産省 登録の公示(登録番号第19号)より一部抜粋

【特定農林水産物等の生産の方法】
  • 魚種
  • 活かし込みとみがき処理の方法
  • 出荷規格
  • 最終製品としての形態

魚種は「日本漁船により日本近海の漁場で漁獲されたとらふぐ又は国内で種苗生産され、国内各地の養殖場で養殖されたとらふぐで、下関市地方卸売市場南風泊市場に入荷したもの」、出荷規格は『「下関ふく」生産業者によって活かし込みとみがき処理をされたみがきふぐ(除毒され、頭部・胴身・かま(下あご)・くちばし(口)・ひれ・皮の可食部位がまとめられたもの)』など、主に処理のしかたの面で規定が非常に細かく決まっています。

これらの国の基準を満たし続け、安心・安全なふぐを消費者に届けようとする生産・加工者の努力の証が「下関ふく」というブランドになっているとも言えるのではないでしょうか。

国からのお墨付き商品は消費者にとってもメリットが

ユネスコの世界無形文化遺産に記載された「和食」や「日本人の伝統的な食文化」は、我が国で古くから地域に根付いてきた伝統野菜や、個性豊かな農林水産品の存在なくしては語れません。
その中には、すでに地域ブランドとして広く知れ渡り、高い評価を受けて価値を高めているものもあります。

こうした地域の宝を、国が生産方法や品質などを適切に評価し、保護する取り組みである地理的表示保護制度(GI)は、私たち消費者にとっても、国のお墨付きが与えられた商品を選べることになるため、より安心した消費活動を行うことができ、今後ますますそのニーズが高まってくるものと思われます。

全国的に知名度の高い下関のふぐ

全国唯一のふぐ専門市場である「下関市南風泊市場」で競りにかけられたトラフグは、すべて下関唐戸魚市場仲卸協同組合所属の仲卸に競り落とされ、鮮度の良い状態で永年磨き上げられた有毒部位を的確に取り除く高度な除毒技術により「磨きふぐ」(身欠ふぐ)として加工されます。

仲卸業者の確かな目利きと、安心・安全な「磨きふぐ」を生産する熟練した技術があるからこそ、全国のふぐ料理店及び流通業者、消費者からの厚い信頼とニーズが高く、下関のふぐは全国的に知名度を上げてきました。
そんな下関のふぐが地理的表示保護制度(GI)に登録され、GIマークのついた状態で流通すれば、ますますその信頼を高めていくことは容易に想像ができます。

また、下関唐戸魚市場仲卸協同組合は、既に「下関ふく」という名称で地域団体商標(特許庁認定)も取得しており、今回の地理的表示保護制度(GI)とあわせて国内のみならず、海外にも通用するブランドとしてさらなる飛躍を目指しています。

消費者としても、安心と信頼のおけるふぐを明確な証明がなされている状態で手に入れることができるようになるのは、おおいに喜ばしいことです。今回の登録をきっかけに、地理的表示の重要性と「下関ふく」のすばらしさが認知され、「下関ふく」というブランドが国内外に広がっていくことに期待したいですね。


農林水産省 登録の公示(登録番号第19号)
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/register/19.html

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