ふぐニュース

77年目の感謝「下関ふく供養祭」

今年で77回目となる「下関ふく供養祭」が2016年4月30日、下関市彦島西山町の下関南風泊(はえどまり)市場で営まれました。
全国から生産者、養殖業者、卸業者など、水産関係者ら約300人が参列し、今シーズンのふぐ漁の無事とふぐの命への感謝を込めて焼香・供養をしました。

国内で最も歴史ある下関ふぐ供養祭

下関のふく供養祭は、ふぐシーズンの終わりを全国に告げる伝統行事で、1930年から行われている日本国内で最も歴史あるふぐ供養祭です。

全国のふぐの水揚げの約9割を占めている南風泊市場が開催場所ということもあり、参列者の数も全国各地で行われる供養祭の中でも最多となっています。

参列した下関ふく連盟の原田光朗理事長は「業界のますますの発展と商売繁盛を祈念したい」と挨拶し、来シーズンの豊漁を祈願しました。

地元小学生によるトラフグ稚魚の放流も

式典後は、地元の西山小学校の1年生30人の手によって、トラフグの稚魚3000匹が関門海峡へ放流されました。

稚魚の放流も毎年恒例となっており、近年の研究でトラフグは産卵期になると稚魚の頃に育った海域に戻るという報告がなされているため、順調に育てば再度下関へ戻ってきてくれる可能性があるとのこと。

感性豊かな日本人ならではの行事継続を

毎年恒例の下関ふく供養祭は、もはや下関の風物詩というより日本のふぐ業界の一大イベントにまで成長した感があります。
多彩な参列者の顔ぶれのみならず、全国から供えられた花環の数々がそれを物語っています。

現在流通しているトラフグは大部分を養殖物が占めるようになり、年中ふぐを食べられることが普通になりつつあります。
フグシーズンの終わりを告げるはずの下関ふく供養祭も本来の意味は薄くなってきているのかもしれません。
しかし感性豊かな日本人特有の、生活の糧としている生物や無生物に対する畏敬と感謝の念を表す行事として、これからも末永く継続していきたいものです。

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