ふぐニュース

有毒の卵巣混入の恐れ 三重・愛知で「ゴマフグの白子」が商品回収へ

2023年6月上旬、三重県四日市市のスーパーと愛知県豊橋市の鮮魚店で販売された「ふぐの白子パック」に有毒部位として知られる「卵巣」が混入した可能性があるとして事業者を管轄する保健所が注意を呼びかけ、直ちに自主回収が行われました。

卵巣が混入した恐れのある「ゴマフグの白子」が自主回収へ

ふぐは猛毒・テトロドトキシンを体内に保有しているため、免許・資格を持たない素人が調理・販売するのは食品衛生法により禁止されています。
しかし、釣り上げたふぐを素人が調理して食べてしまったというケースや、スーパーなどでふぐの有毒部位が誤って販売されてしまったケースなどが現在でも度々報告され、問題となっています。

今回トラブルが起こった三重県四日市市のスーパーと愛知県豊橋市の鮮魚店では、それぞれ石川県内の加工業者が加工した「ゴマフグの白子」を販売していました。
ところが、卸業者からの連絡でふぐの有毒部位として知られる「卵巣」が混入した恐れがあることが分かり、その後直ちに保健所の求めに応じて、販売事業者より自主回収が進められました。

三重県のスーパーでは6月8日時点で既に3人が計4パック、愛知県の鮮魚店でも量り売りで1人が購入していたことが判明しましたが、現時点で健康被害の報告などは入っていないということです。

例年20~30件発生している「ふぐ毒」による食中毒事故

ふぐが持つ猛毒・テトロドトキシン関連のトラブルは、主にふぐ処理の免許・資格を持たない素人が調理したものを食べてしまったという食中毒事故が最も多く、例年全国各地で20〜30件発生しているといわれています。
特に2023年4月以降は増加傾向にあり、島根県や山口県など相次いで事故が報告されていました。

テトロドトキシンは青酸カリの1000倍といわれる強力な毒素で、加熱しても熱で分解されず、解毒剤もなく0.5〜1.0mg摂取しただけで致死量に達する恐ろしい猛毒です。
通常の調理で無毒化・除毒されることはないため、ふぐを素人判断で調理して食べたり、人にあげたりするのは絶対にやめましょう。

今回の件によって「素人がふぐを誤って食べてしまうのは大変危険」だという認識が一般にさらに広まり、事故防止につながることを願うばかりです。

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