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「カテキン」で寄生虫除去! 金沢大が養殖トラフグ新技術開発に成功

石川県の国立大、金沢大学ではお茶などに含まれる成分「カテキン」を利用して、トラフグに付いた寄生虫を除去する技術開発に成功しました。
トラフグの天敵である寄生虫は、これまで養殖の現場でも長年の課題となっていましたが、今回発表された新技術に大きく期待が寄せられています!

トラフグの天敵を「カテキン」で除去?!

金沢大学で開発に成功したトラフグの寄生虫を除去する新技術は、お茶などに含まれ様々な健康効果があるとされる成分「カテキン」が利用されています。
実はこれまでも養殖の現場では、トラフグのエラ部分に付いて呼吸を妨げる寄生虫「エラムシ」が問題視され、以前はホルマリンなどを使用して除去が試みられていましたが、現在では自然環境へ及ぼす影響の大きさから使用禁止となっていました。

そこで金沢大学では、淡水のサケやマスの卵に付くカビを取り除くために使用されていたカテキンを海水に応用し、トラフグの水槽に投与したところエラムシを駆虫させる効果が確認されました。何も投入しないときと比べ、カテキンを投与した水槽でのトラフグは死亡率が1割にまで抑えられ、餌に混ぜても同様の効果が得られることが分かっています。

さらに、カテキンは自然由来の成分ですので環境への負荷も少なく、より安全にトラフグの養殖にも活用できるとして実用化への期待が高まっています。

多くの人々の努力によって向上してきたトラフグの養殖技術

今回、新たに開発に成功した「カテキン」による技術をはじめ、日本では昔からトラフグ養殖に関わる人々の努力によって、私たちのもとにおいしいふぐ料理が届けられてきました。
日本各地で減少傾向にある天然トラフグの漁獲量を補うために、これまで長きにわたって向上してきた養殖トラフグの技術は、令和となって新たな時代を迎えた現在でもさらに進化し続けています。

その一方で、やはり一度は天然トラフグを食べてみたい!という方も多くいらっしゃいます。ふぐ取扱量が日本一を誇る下関を中心に、各地でトラフグ稚魚の放流がされていたりと、天然資源保全にも力が入れられていますので、ぜひ天然と養殖のトラフグの味や食感の違いを食べ比べてみてくださいね。

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