2018年4月29日、「下関ふく供養祭」が下関市の南風泊(はえどまり)市場で開催されました。
79回目となる今回も、全国から生産者、養殖業者、卸業者など水産関係者らが多数参列しました。
下関ふく供養祭とは
下関のふく供養祭は、協同組合下関ふく連盟主催で1930年から行われている伝統行事です。
ふぐシーズンが終わる4月、「ふぐ」の語呂合わせである29日に毎年行われています。
日本国内で最も歴史あるふぐ供養祭としても知られ、参列者の数は全国各地で行われる供養祭の中でも最多といわれています。
なお、毎年会場となっている南風泊市場は、高度衛生化市場への建て替え工事が始まるため、現在の市場では最後の開催となります。(来年の開催場所は未定だそうです)
ふぐに日頃の感謝の気持ちを込めて
大勢の関係者が参列した会場内には、水槽に入った重さ約3キロほどの天然とらふぐが祀られたほか、全国各地から壁を覆いつくすほどの多数の花還が供えられるなど、ふぐへの感謝の思いが随所に込められた供養祭となりました。
今シーズンのふぐ漁の無事と、ふぐの命への感謝を込めて焼香・供養をした後は、地元の小学生によってとらふぐの稚魚が関門海峡へ放流されました。
来季の豊漁と、ふぐ漁の安全を祈願し、今年のふく供養祭は幕を閉じました。
今後のふぐ食のさらなる発展を
今シーズンは、天然・養殖共にふぐの供給量が多く価格が低迷したことにより、生産者・仲卸業者にとっては厳しいシーズンとなりました。特に、仲卸業者からは、商売がしにくいシーズンであったとの声も出ていたそうです。
「今後のふぐ食発展のために、ふぐ食のさらなる普及を目指し、そのためにはふぐの免許・条例の全国統一を目指し、各方面へ働きかけを続けていく」という、業界関係者の強い想いを感じられたふく供養祭でした。