ふぐといえば「冬の最高級食材」といわれるトラフグが有名ですが、猛毒・テトロドキシンを持つことでも知られており、資格を持たない素人による調理はもちろん、一般消費者に対して除毒されていない未処理のふぐを販売することは禁止されています。
しかし、これまでも素人が誤って調理してしまったというケースや、スーパーなどで有毒部位が誤って販売されてしまったというトラブルが度々問題となりました。
そして、近年はスマートフォンのアプリによる便利なシステムが次々と登場していますが、2022年3月に「除毒されていない有毒のヒガンフグ」が鮮魚通販アプリを利用した消費者に届いてしまったことが判明し、SNSを中心に話題を集めています。
未処理のヒガンフグが消費者の元へ…運営元が謝罪
2022年3月、鮮魚通販アプリで「除毒されていない有毒のヒガンフグ」が消費者に届いてしまったという事例が確認され、運営元が公式サイトで謝罪しました。
同アプリで、食べ方が浸透していない・加工に手間がかかるといった「魚好きでないと捌くのが難しい魚」を集めた「チャレンジFishボックス」と呼ばれる商品を購入した消費者が、除毒されていないヒガンフグが混入していたとSNSで指摘し、投稿が拡散されて話題となりました。
ヒガンフグは、本来は安価な上に身が硬くしまっていてお刺身は特においしいと人気のふぐですが、毒性が強いことで知られています。
誤って有毒のヒガンフグを混入させてしまったアプリ運営元によると、既に購入者全員に連絡が取れており、健康被害もなく回収の手配が進められているとのことです。
また、「今回の事案につきましては、重大なこととして捉えております」とふぐが混入した経緯や原因の調査を行い、再発防止に努めるとしています。
新たな技術の発展のためにより安心・安全な仕組み作りを!
過去には煮干のなかにふぐが混入していたケースや、スーパーで販売禁止部位であるふぐの肝が流通してしまったというケースがニュースとなりましたが、今回は「鮮魚通販アプリ」という現代社会らしい新しいシステムがトラブルの原因となりました。
除毒されていない有毒のヒガンフグを誤って口にしてしまう事故は運良く避けられましたが、近い将来同じようなトラブルが起こる可能性も否定できません。
新たなシステムによる技術が日々進歩する一方で、再発防止のため今一度「一般消費者に対して未処理のふぐを販売してはいけない」といった基本的なルールを徹底し、改めて注意喚起を呼びかけるタイミングに差し掛かっているのかもしれませんね。