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被害総額5億円以上? 長崎・伊万里湾の赤潮により甚大な被害

トラフグの養殖量日本一を誇る長崎県松浦市沖の伊万里湾では、7月中旬頃に発生した赤潮の影響で、養殖トラフグなど数十万匹が死ぬという被害が出ており、その影響が心配されていました。

この赤潮が確認されてから、1ヶ月以上経過した現在も収束の目処が立っておらず、養殖トラフグ以外にもハマチやマグロなど7魚種、計50万匹以上に被害が及んでいます。

被害総額は約5億円を超え、今後も拡大すると推測されています。
これは、長崎・新松浦漁業協同組合の昨年の売上の5分の1にも上る甚大な被害額になります。

今回の被害の原因は?

伊万里湾に赤潮として大量発生した植物性有害プランクトン「カレニア ミキモトイ」が魚のエラに張り付き、呼吸困難を招いたことが大量死の原因であったとされています。

長崎県総合水産試験場によると、赤潮は水温が25度前後、水深5〜10mで増殖しやすく、7月は比較的気温が高い日が続いたことも、赤潮増殖の一因ではないかと言われています。

そもそも赤潮ってどんな現象?

赤潮は、生活・工場排水が海に流れ込み、海水の栄養分が多くなった際に、植物性の有害プランクトンが急激に増殖し、海水が赤く染まってしまう現象のことをいいます。

赤潮が発生するとプランクトンにより水中の酸素が消費されたり、プランクトンが魚のえらに張り付いたりすることで魚が呼吸困難になり死に至る確率が高まります。特に夏の時期は多くの漁業関係者の頭を悩ませている環境問題として、度々ニュースなどでも取り上げられている現象です。

迅速な環境対策が必要

各漁業関係者は、応急処置として中和剤を散布するなどの対応をしているようですが、これは一時的な対策でしかなく、残念ながら根本的な解決にはつながっていません。地球温暖化の影響で海水温の上昇が毎年懸念されている以上、赤潮がまた今後も増殖する可能性がゼロになることはなく、今後も継続的な対策が必要とされます。

この問題の解決を急ごうと、中村法道長崎県知事も新松浦漁業協同組合を訪れ、伊万里湾の赤潮の原因の特定するために、調査を始める意向も示しているようです。

養殖トラフグなど、伊万里湾で獲れる海産物の安定した供給を維持するためには、赤潮自体を未然に防ぐ迅速な環境対策が求められます。

トラフグの消費にも影響か

年々天然トラフグの漁獲量が減少傾向にある中、養殖トラフグは業界にとって大切な原資となっています。

その養殖トラフグの漁獲量まで減ってしまうと、トラフグの取引価格にもダイレクトに影響し、ひいては消費者への影響も懸念されます。今年のトラフグ価格はかなり高騰してしまうのではないかと、業界関係者は動向を見守っています。

9月末のトラフグシーズンの幕開けまでに、今回の赤潮問題が収束に向かうことを願うばかりです。

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