宮城県石巻市にある波の穏やかな海水浴場として知られる「渡波海水浴場」では、昨年ふぐなど魚の死骸が大量に打ち上げられた影響で、今シーズンは開設を休止すると発表しました。
海水温の上昇が原因に? ふぐなど魚の死骸が大量に漂着
今シーズンの開設休止が決定となった「渡波海水浴場」は、宮城県石巻市に5つある市営海水浴場の一つです。
市の中心部に近いことから東日本大震災以前は例年約7,700人の遊泳客が訪れていましたが、震災の影響で閉鎖され、その後は新たな防波堤が完成したことなどから2018年に再開となりました。
しかし、昨年の開設期間中にはふぐなど魚の死骸がほぼ毎日漂着し、環境面での不安が相次ぎ今年も同様の事態となる恐れがあったことから、運営にかかる費用なども考慮し残念ながら開設休止が発表されました。昨年の開設期間には約1,400匹にのぼる魚が打ち上げられたということです。
石巻市と宮城県によりますと、海水温の上昇による酸欠などが原因とみられ分析が行われています。なお、そのほかの市内4つの海水浴場については例年通り開設予定とのことです。
毒を持つ生き物も! 海岸で魚を見つけても近寄らないようにしよう
海岸で魚が大量に打ち上げられたという現象は全国各地で度々確認されています。
一例としては昨年、山形県や新潟県、秋田県など日本海側の海岸で広範囲にわたって「ホシフグ」の死骸が大量に漂着し、テレビやインターネットのニュースなどでも大きく取り上げられました。
また他のふぐと同様に、ホシフグは毒を保有しており素人判断で安易に扱うのは危険なため、海岸で死骸を見つけても触ったり拾ったりしないよう各地域で注意が呼びかけられました。
今回の渡波海水浴場で起こった事例も決して他人事ではなく、お住いの地域で同様に海岸に魚が漂着しているなど不審な現象が起こっていた場合は注意が必要です。
ふぐだけでなく、海で暮らす生き物のなかには素手で触っただけで棘などが刺さり、危険を及ぼすものもいますので、見つけてもむやみに触ったり近づいたりするのは避けてください。