ふぐニュース

今年も山口県・笠戸島で養殖トラフグ「歯切り」作業

山口県内で最大級の養殖トラフグ産地で知られる下松市笠戸島の栽培漁業センターでは、今年もトラフグの稚魚3,500匹の歯の一部を切除する「歯切り」作業が行われました!

トラフグ養殖に欠かせない「歯切り」作業

トラフグの試験養殖に取り組んでいる下松市笠戸島の栽培漁業センターでは、養殖にとって大切な作業となる稚魚の「歯切り」を毎年行なっています。
トラフグは上下2枚ずつ計4枚の硬い歯を持っており、成長するとフグが互いの尾ビレや体を噛み合って傷つけ、それが感染症の原因となる危険があるほか、網を食い破って逃げることがあるため稚魚のうちに歯切りをして防止しています。

歯切り作業当日は、センターの職員が養殖いかだで飼育する体長10センチ前後の稚魚を取り出し、乳児用の爪切りばさみを使って手際よく歯の一部を切り落としていきました。
1匹につき数秒の早さで歯切りを行い、その数は合計3,500匹にのぼります。口の中を傷つけないように慎重に、上下いずれかの前歯を一部切除して噛み合わないようにするという大変な作業です。

今回、歯切りを行なった稚魚の大半は7月に沿岸から海へと放流される予定で、残りは1年かけて体長35〜40センチほどに成長させたあと、地元の飲食店や宿泊施設へ出荷予定とのことです。
下松市笠戸島では30年ほど前からトラフグ養殖が行われていて、瀬戸内側では山口県内唯一の養殖場として地域の観光資源になっています。

立派に育った養殖トラフグをおいしくいただこう!

このようにトラフグは生産・養殖の段階から、効果的に育成するために細かな管理とケアが徹底して行われており、多くの人々の努力によって私たちのもとにおいしいふぐ料理が届けられています。
トラフグが持つ硬くて鋭い歯はピラニアにも匹敵するといわれていて、フグ同士が噛み合わず大きく立派に成長するために「歯切り」は大変重要な作業なのです。

ふぐ料理をいただくときには、今回ご紹介した「歯切り」について思い出してみると何か新たな発見があるかもしれませんね!

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