2022年7月8日、明治時代から続く「ふぐ延縄漁の発祥の地」とされる山口県周南市・粭島の海岸で地元の子供たちがトラフグの稚魚を放流しました!
地元の子供たちが約2000匹のトラフグ稚魚を放流
ふぐの鋭い歯に噛み切られないように針金の釣り糸を用いる「延縄漁」の発祥の地として知られ、「ふぐ延縄発祥の碑」が設置されている周南市・粭島。
トラフグの稚魚放流は、漁協や市によって資源増幅や地域の伝承文化の継承を目的に1983年(昭和58年)から行われており、子供たちにも特産であるトラフグについて知ってもらい、環境保護の意識を持ってもらおうと毎年7月に実施されている恒例行事となっています。
今年は地元の小・中学生を中心に、学校や漁業関係者ら約30人が参加し、砂浜のゴミ拾いを終えたあと、下松市栽培漁業センター(下松市笠戸島)が中間育成をした約2000匹のトラフグ稚魚が放流されました。
子供たちがバケツを手に「大きくなって帰ってきてね!」などと声をかけながら一斉に放流すると、体長15cmほどのトラフグの稚魚が沖に向かって元気に泳いでいきました。
放流されたトラフグの稚魚は今年の冬ごろには倍の約30cmにまで成長し、5年後には約50cmにまで成長するということです。
子供たちも「ふぐを触ってみたら硬かった」「大きく元気に育ってほしい」と話していました。
山口県では9月にふぐシーズン到来を告げる「ふく延縄漁船出航式」も
山口県内では、「ふぐ延縄漁の発祥の地」と知られる周南市・粭島のほかに、ふぐの取扱量が日本一を誇る下関市で毎年9月に「ふく延縄漁船出航式」が行われています。
ふぐ漁の豊漁と航海安全を祈って行われ、関係者にとってふぐシーズンの始まりを告げる大切な行事です。
「ふく延縄漁船出航式」では出航した漁船に数千匹のトラフグの稚魚が積まれ、資源保護と未来のふぐ漁発展を祈願して沖に放流されています。
なお、漁獲されたトラフグは例年9月下旬ごろに下関の南風泊(はえどまり)市場で「初競り」が行われ、市場動向価格は各メディアからも大きな注目を集め、多くの方から毎年高い関心が寄せられています。
今年もまもなく本格的なふぐシーズンが到来しますので、ふぐの豊漁と航海安全を祈りつつ、おいしいふぐ料理を堪能しましょう!(写真提供:周南市)