ふぐニュース

改めて注意の呼びかけを! 「ふぐ毒」による食中毒が増加

ふぐの仲間の多くが体内に猛毒・テトロドトキシンを蓄積しているため、未処理のまま誤って口にしてしまうのは大変危険なことで知られています。
一方で、ふぐ処理の免許・資格を持たない素人が調理したものを食べてしまい、食中毒に陥ってしまった事故は度々発生しており、例年全国各地で20〜30件発生しているといわれています。

そして2023年も特に4月以降、テトロドトキシンによる食中毒事故のニュースが相次いで報告されているため改めて注意を呼びかけましょう。

「ふぐ毒」による食中毒事故が増加傾向に

ふぐを味噌汁で口にした男性が食中毒に(島根県)

島根県は、4月上旬に出雲市近海で自ら釣ってきたふぐを誤って味噌汁にして食べてしまった70代の男性1人が食中毒になったと発表しました。
手足のしびれや嘔吐の症状があったものの、入院後は回復傾向にあるとのことです。
ふぐの種類は不明で、男性はふぐ処理の資格・免許は持っていませんでした。
島根県内でのふぐによる食中毒は2020年4月以来3年ぶりということです。

県内で今シーズン初の食中毒事故が発生(山口県)

ふぐの本場・山口県でも、家族が釣り上げてきたふぐを60代女性が唐揚げにして食べてしまい、食中毒に陥った事故が発生しています。
唇や手のしびれを発症し緊急搬送されましたが、その後は回復に向かったとのことです。
今回の事故は4月中旬に発生し、山口県では今シーズン初めてでした。

海外では死亡事故につながったケースも(マレーシア・ジョホール州)

マレーシア南部のジョホール州で暮らす80代の夫婦がSNSを利用してふぐとは知らずに魚を注文し、届いてから調理を始め昼食のおかずとして口にしたあと体調が悪化し、病院に搬送されました。
しかし、残念ながら夫妻は亡くなり、その後娘が記者会見を開き「このような事態の再発を防ぐため、政府はふぐ毒に関する知識の周知を徹底し、法律を強化してほしい」と訴えました。
当局は夫妻が購入した商品を回収し、詳しい検査を進めているとのことです。
マレーシアでは毒を持つ食品の販売は禁止されているものの、鮮魚市場などで未処理のふぐが売られているケースも確認されており、販売業者や供給業者を認定する制度を検討する必要があるという意見が挙げられています。

ふぐは有資格者によって調理された安心・安全な料理を楽しもう

マレーシアで起こった事故は日本国内とは事情が異なりますが、ふぐによる食中毒の原因のほとんどが、ふぐ処理の免許・資格を持たない素人が自宅で調理して食べてしまったというケースです。

ふぐが体内に持つテトロドトキシンは解毒剤もなく、青酸カリの1000倍といわれる恐ろしい猛毒であり、熱で分解されることもないため通常の調理では無毒化・除去されることはありません。
テトロドトキシンによる症状の多くが人の体にしびれや麻痺などを引き起こし、最悪の場合は呼吸停止に陥り死に至ることもあります。
そのため、ふぐを素人判断で調理して食べたり、人にあげたりするのは絶対に避けてください。「自分は大丈夫」と考えるのは非常に危険です。

また、資格・免許を持たない素人がふぐを調理・販売するのは食品衛生法で禁止されています。
しっかりとした知識・経験を持つ有資格者の手によって調理された安心・安全なふぐ料理をいただきましょう。

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