世界有数のふぐ展示数を誇る山口県下関市の水族館、「海響館」が長崎大学と水産大学校との共同研究により、これまで明らかにされていなかったシマキンチャクフグの毒性を解明したと発表しました!
観賞魚として人気のシマキンチャクフグとは?
シマキンチャクフグは、フグ目フグ科キタマクラ属に分類される体長5〜10センチほどの小型のフグです。
インド洋から太平洋などに広く分布しており、可愛らしい顔つきや美しい体の縞模様と斑点が特徴的で、おとなしくて飼育もしやすいため観賞魚として多くの人々から親しまれています。
シマキンチャクフグによく似た魚としては、同じくフグの仲間であるハナキンチャクフグやクマドリキンチャクフグが挙げられますが、そのなかでもカワハギ科に分類されるノコギリハギは他の生き物から身を守るためにシマキンチャクフグに擬態していることで知られています。
毒を持たないノコギリハギが、シマキンチャクフグの姿に似せることで敵から襲われないようにしている習性があることから、他のフグと同じようにシマキンチャクフグも何らかの毒を持つと考えられていました。
シマキンチャクフグの毒性が明らかに
冬の高級食材として有名なトラフグをはじめ、多くのフグが体内に毒を持つことで知られていますが、これまでシマキンチャクフグはどのような毒を持っているのか分かっておらず、海響館らの研究によって初めて明らかになりました。
今回の発表によると、シマキンチャクフグもフグ毒として広く知られている「テトロドトキシン」を持ち、加えて麻痺性貝毒という毒の主成分である「サキシトキシン」を持っていることが分かっています。
観賞魚として人気のシマキンチャクフグは、毒を持ち体も小さいため一般的には食用としては利用されない魚ではありますが、万が一釣り上げたときなどには誤って口にすることがないように改めて注意が必要ですね。
フグの本場・下関でフグ三昧な1日を楽しもう!
シマキンチャクフグは初心者の方でも飼育しやすい魚として親しまれている一方で、毒性についてはこれまではっきりと分かっていなかったことに驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回、初めて毒性が明らかになったことで今後さらにシマキンチャクフグのニーズが高まるかもしれませんね。
フグの本場・下関には、今回シマキンチャクフグの毒性について発表を行なった「海響館」をはじめ、老舗のトラフグ専門店や「世界一のふくの像」で有名な亀山八幡宮など、フグにまつわるスポットが数多くあります。
下関を訪れる際は、ぜひ足を運んでフグ三昧な1日を過ごしてみてはいかがでしょうか。