ふぐニュース

フグ肝販売発覚のスーパー「肝に銘じてもう売らない」

とらふぐを始めとするふぐは、「高級」「美味」などのイメージとともに「有毒」というイメージが常に付随しています。
有毒とは言っても、先人たちの知恵と経験から、現代ではふぐの中でも可食部位と破棄する有毒部位とが明確になり、有資格者の手によって有毒部位を除く処理方法が確立されています。
結果、わたしたち消費者は安心して美味しいふぐを楽しめるようになっています。

ところが、2018年1月15日に愛知県のスーパーにて、販売が禁止されている「ふぐ肝」入りの切り身パックが販売されていたことが判明し、問題となっています。

販売禁止部位であるふぐの肝入りパックが一般に流通

愛知県蒲郡市内にあるスーパータツヤで、フグのパックを購入した消費者から「パック内にフグの肝臓が入っている」との連絡が豊川保健所に寄せられました。

豊川保健所が販売されていたパックを確認したところ、確かにフグの肝臓を含んでいることが確認され、少なくとも 8パックが販売されていたことが判明しました。
8パックのうち6パックは県や店に回収されたものの、2パックは既に購入者が食べてしまったことも判明しました。
幸いにも購入者に健康被害は確認されませんでしたが、1月16日夜には食品衛生法違反容疑でこのパックを販売していたスーパーへ愛知県警による家宅捜索が行われました。

フグの種類問わず「フグの肝」は食用不可

厚生労働省では、フグの肝には猛毒の「テトロドトキシン」などが含まれる恐れがあることから、ふぐの種類に関わらず販売・提供を食品衛生法で禁じています。

また、フグを処理して販売・提供を行うためには各都道府県などに届け出る必要があるなど、食中毒を起こさないために厳格なルールが定められています。

今回問題となった愛知県のスーパータツヤは、県の聞き取り調査によると1998年12月に「ふぐ処理施設」の届を提出し、ふぐ処理の有資格者も1名在籍してふぐの販売を行っていました。今回肝が入っていたパック商品も、ふぐ処理師の手によってさばかれたものでした。

ヨリトフグも無毒ではない

今回販売されていたフグは「ヨリトフグ」と呼ばれる種類で、トラフグに比べて毒性が弱いとされ、この地域では昔から肝も含めヨリトフグを食べる習慣があったとのこと。
このスーパーではヨリトフグのほか、サバフグも肝臓込みで「これまで何十年も売っていた」と話していたそうです。

しかし、沖縄県衛生環境研究所では、ヨリトフグ6匹のうち1匹の肝臓から毒が見つかり、抽出した溶液を注射されたマウスが30分以内に死に至ったとの報告もなされています。
また、専門家からは「これまでたまたま有毒部位にあたらなかっただけ。これから中毒になるかもしれないため、肝を食べるのは避けるべき」との見解もなされています。

消費者も危険部位への意識を高めて

近年は温暖化などによってフグの環境が変わり、異なる種同士の交配も確認されています。どこの部位に毒が含まれているか不明なこともあるため、「この種類のフグは無毒だ」と言い切ることはできません。

問題となったスーパーの経営者はこれまでヨリトフグの肝は無毒だと思っていたと釈明していたものの、今後は「肝に銘じて一切ふぐは売らない」と、ふぐ処理施設の廃止届を近日中に提出し、受理される見通しです。

お店で販売されているからと安心して購入したにも関わらず、有毒部位が混入していたとはあってはならないこと。
愛知県では各地の保健所へ、ふぐ処理施設へ指導徹底を行うよう通知を行いました。
販売者はもちろん、消費者もより危険部位への意識を高めて欲しいと思います。

今回の件によって、ふぐの肝は「食べてはいけない」部位であるという認識が一般に広まり、ふぐによる食中毒ゼロになることを願ってやみません。

さかいの夏ふぐ
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