とらふぐは料理だけでなく、愛嬌のある姿が多くの人に愛されています。そのとらふぐの性別は、どのようにして見分けられているのかご存知でしょうか?
今回は、とらふぐの性別についてご紹介いたします。
とらふぐの性別を見分けるのは難しい?
まず、魚の性別の見分け方は種類によって異なります。
基本的には体の特徴の違いによってオスかメスか見分ける場合が多く、体の色や模様、体の大きさやヒレの形などから性別が判断されることがほとんどです。
ところが、とらふぐの場合はオスとメスで体の特徴に違いがほとんどなく、外見で性別を見分けるのは非常に難しいといわれています。
そのため現時点では、とらふぐをさばいたときに「精巣」か「卵巣」のどちらを持っているかで、性別を見分ける方法が確実とされています。
白子を持つオスだけを養殖する技術も?!
ふぐ料理の中でも最高級品として有名な「白子」はオスからしか取れないため、メスよりもオスの方が珍重されています。
特に、とらふぐ養殖業者にとって性別は重要で、どのようにすれば白子を持っているオスを効率よく養殖できるか研究が行なわれています。
近年では、ついに長崎県総合水産試験場がとらふぐのオスだけを産ませる養殖技術を開発しました。
この養殖技術はとらふぐが持つ遺伝子の性染色体を利用したもので、現在は実用化にむけて研究が進められています。
実用化が成功すれば、近い将来とらふぐの白子が安定して供給され、より多くの方が楽しめるようになるため期待が寄せられています。
とらふぐの白子についてはふぐマガでも以前ご紹介しておりますので、こちらも合わせてご覧ください。(とらふぐ白子の濃厚でクリーミーな味を楽しもう!)
なお、オスの精巣部分である「白子」はわずかしか取れず、貴重な食材として知られている一方、メスの卵巣は毒が含まれており食べることができませんので、誤って食べてしまわないように素人判断で調理するのは絶対にやめましょう。
まとめ
とらふぐの性別は、実は外見からでは見分けるのが非常に難しいことに驚かれた方も多いのではないでしょうか?
性別は主にとらふぐの精巣と卵巣で見分けられていますが、養殖業者にとっては白子が取れるオスの生産が重要視され、長年にわたってとらふぐの性別に関わる研究が続けられています。
今回ご紹介した養殖技術が実用化され白子が広く流通されるようになれば、とらふぐが私たちにとってより身近な食材として親しまれ、ふぐ食のさらなる発展にも繋がりますので、今後の動きに引き続き注目していきましょう!