海の中では色々な生きものがほかの生きものを食べたり、食べられたりする食物連鎖が繰り返されています。
そのため、多くの生きものたちには命の危険を脅かす天敵が存在していますが、ふぐにも天敵は存在するのでしょうか?
今回はふぐの天敵について調べてみました。
強い毒を持つふぐは無敵?!
実は強い毒を持つふぐは、天敵が非常に少ない生きものだといわれています。
なぜふぐがほかの魚から狙われることが少ないのかは明らかになっていませんが、ふぐには「テトロドトキシン」という強い毒があることを、ほかの魚が本能的に察知しているのではないかという説があります。
それでも大きな魚や、カモメなどにふぐが食べられてしまうことがありますが、ふぐを食べた生きものにテトロドトキシンに耐性があるわけではないため、人間と同じように毒に当たっている可能性が高いとみられています。
しかし、ふぐは成長とともにテトロドトキシンを体内に蓄積していくといわれています。
そのため毒性が弱い稚魚のうちは多くの生きものから狙われ食べられることもあり、完全無敵というわけではないようです。
ふぐの天敵はふぐ!?
強い毒を持つために他のいきものから捕食されにくいふぐには天敵が存在しないのではないかという見方もあります。
しかし、ふぐはテトロドトキシンに対して高い耐性を持っています。
つまり、同じふぐなら天敵となり得るのです!
実際にクサフグやショウサイフグなどの小型種のふぐは、サバフグやトラフグなどの大型種のふぐに食べられてしまうことがあるそうです。
「毒をもって毒を制す」という言葉がもっとも似合うのは、もしかしたらふぐなのかもしれませんね。
まとめ
ふぐが持つ強い毒によってほかの生きものから狙われることは非常に少ないこと、逆に毒に対して高い耐性を持つふぐ同士が天敵となり得るということがわかりました。
なかなか興味深い事実に驚かれた方も多いのではないでしょうか。
ほかの生きものが本能で食べるのを避けるくらい強力な毒を持つふぐを、最初に食べ、なおかつ有毒部位を選別してきた先人たちには敬服です。
現代では有資格者の手によって除毒されたふぐを、おいしくいただけるありがたさに感謝しつつ、たっぷり美味しいふぐを堪能しちゃいましょう!