ふぐを知る・学ぶ

ふぐ以上に危険?! テトロドトキシンを持つ生きもの

ふぐが持っていることで有名な「テトロドトキシン」は、青酸カリの約1,000倍の毒力と言われるほどの猛毒です。

いまだ有効な解毒方法が見つかっていないテトロドトキシンですが、実はふぐのほかにもこの毒を持っている生きものが存在していることをご存知でしょうか?

今回は、テトロドトキシンを持つ危険な生きものについて調べてみました!

殺人ダコ?! ヒョウモンダコにご注意

近年、日本沿岸での出現が報告され、ニュースなどでも取り上げられている「ヒョウモンダコ」。
青い斑点を持つ見た目が美しいヒョウモンダコですが、ふぐと同様にテトロドトキシンを持っており、ふぐ以上に危険ともいわれています。

ヒョウモンダコは、本来は太平洋側の熱帯域や亜熱帯域に生息していますが、地球温暖化による海水温度の上昇の影響で、日本でも目撃されることが多くなっています。

ヒョウモンダコは身の危険を感じると噛み付いてくる習性があり、唾液に高濃度のテトロドトキシンを含んでいるため、海水浴や釣りの際に万が一発見しても絶対に触ってはいけません。

可愛い名前に油断禁物?! スベスベマンジュウガニ

日本では、千葉県の房総半島から沖縄にかけての太平洋側に生息している「スベスベマンジュウガニ」というカニも、テトロドトキシンを持つ生きものとして知られています。

体の表面がスベスベしていて、お饅頭のような姿をしていることから「スベスベマンジュウガニ」なんていう可愛らしい名前が付いていますが、実は食用にしてはいけない恐ろしいカニです。

スベスベマンジュウガニは、触ったりハサミで挟まれたりしても毒の問題はないとされていますが、誤って調理して食べてしまうとテトロドトキシンの中毒症状になる危険があります。

磯遊びや潮干狩りなどで目撃されることが多いため、子供がカニを捕まえてきても持ち帰って食べないように注意が必要です。

テトロドトキシンを持つ生きものたち

ふぐやヒョウモンダコ、スベスベマンジュウガニのほかにも、テトロドトキシンを持つ生きものがいます。

アカハライモリ

「アカハライモリ」という赤いお腹が特徴的なイモリは、本州から九州の池や水田、川などに生息しています。
アカハライモリはテトロドトキシンの含有量は多くないといわれていますが、イモリを触った手が目や口に入らないよう注意しましょう。

ツムギハゼ

ハゼの仲間、「ツムギハゼ」もテトロドトキシンを持っているため危険な魚です。
元々は奄美大島以南に生息していましたが、近年は地球温暖化の影響で本州でも確認されていますので注意が必要です。

トゲモミジガイ

「トゲモミジガイ」は、「カイ」という名前がつきますがヒトデの仲間です。
日本では、中部以南の浅い砂浜などに生息しています。
ふぐと同じように体内にテトロドトキシンを持っていますので、誤って食べないようにしましょう。

ふぐのほかにもテトロドトキシンを持っている生きものたちをご紹介いたしました。タコやカニなど海の生きものの他にも、こんなにもテトロドトキシンを持つ生きものがいることに驚かれた方も多いのではないでしょうか。

テトロドトキシンを持ちながらも、唯一食用として多くの方から愛されているふぐは、実はとても珍しい存在なのかもしれません。
長年ふぐを研究し、除毒することで食べられるように工夫を重ねてきた先人たちの、知恵と努力に頭が下がる思いです。

一歩間違えると命の危険もあるテトロドトキシンですから、ふぐは有資格者の手で調理されたものを美味しくいただきましょう。素人調理はダメ、絶対!です。

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