ふぐを知る・学ぶ

ふぐの旬と産卵期のあまり知られていない関係

冬が旬のふぐですが、春の足音が聞こえる今日この頃、ふぐシーズンも終わりが近いと感じられている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今シーズンふぐを堪能した方も、そうでない方も、ふぐの旬の始まりと終わりはいつ頃だろうと疑問に思われたことはありませんか?

ふぐの食べ頃は秋分の日から春分の日まで

一般的に、ふぐの旬は秋のお彼岸(秋分の日を中日とした前後3日間)から春のお彼岸(春分の日を中日とした前後3日間)までと言われています。

これには理由もあり、4月から6月頃のふぐは産卵期を前に、まず肝臓が栄養を蓄え、肝臓から栄養をもらい大きく発育する卵巣の毒性が強くなり、中毒事故の危険性が高まると言われているためです。

晩春の季語にもなっている「菜種フグ(河豚)」を用いた言葉として、「菜種フグは食うな(菜の花が咲く頃のフグは食べるな)」と言われていたほど、昔から産卵期前のふぐに対して警戒がされていたのでしょうね。

産卵後のふぐ毒はどうなるの?

産卵した後、ふぐ毒は減退することが明らかになっています。
産卵前と後を含め、ふぐの毒「テトロドトキシン(tetrodotoxin)」には季節差があることを日本の研究者である谷巌博士が昭和初期に解明していました。

有毒部位として知られるトラフグの卵巣を例に挙げると、毒性検査を行った検査個体のうち、産卵期前の卵巣の有毒率は80%、産卵期は45%と高い数値だったものの、7〜11月の無卵期にはわずか6%と激減していたという研究データが発表されています。

とらふぐは筋肉や皮、精巣、血液は無毒なため、それらの部位は産卵期などに影響されず安心して食べられますが、卵巣などの有毒部位の毒性が季節によってここまで変動するのには驚きですね。
逆に、産卵後は肝や卵巣に集まっていた栄養が身にまわってくるため、夏頃は身の味が濃くなるそうです。

未だ全てが解明されていないふぐ毒ですから、ぜひ産卵期のふぐの有毒部位にはくれぐれもご注意ください。

しかし季節に関らず、とらふぐの卵巣などの有毒部位はたいへん危険ですし、ふぐは種類によって有毒部位が異なりますので、決して素人調理は行わず、ふぐ調理に関する免許のある料理店で、安心安全なおいしいふぐをぜひお召し上がりください。

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