「くまモン」や「ひこにゃん」など、有名なキャラクターが多くいるゆるキャラやご当地キャラは、目に触れる機会も多いと思います。これらのキャラクターたちは、地域おこしや名産物のPRなどの目的によって誕生した背景がありますが、同様に「ご当地ヒーロー」というものも全国各地に存在していることをご存知でしょうか?
とらふぐモチーフのご当地ヒーロー
全国各地に存在するご当地ヒーローですが、ふぐマガがご紹介するのはもちろんフグに関連した山口県下関市で活躍するご当地ヒーロー。その名も「海峡戦士 タイガーフーク」です!
名前をよーくご覧ください。
タイガー(虎)フーク… とらフーク… とらふぐ…。
そうなんです、タイガーフークとは、トラフグをモチーフにしたご当地ヒーローなんです!
ふぐの顔をイメージしたベルトとともに、ヘルメットや腕にはひれを付け、関門海峡の海の色をイメージした色鮮やかなブルーがひときわ目を引くビジュアルが特徴。
生まれたのはもちろん「ふくの日」とされる2月9日です。
下関には、壇ノ浦の戦いで敗れた平家が次々に入水していった悲しい歴史があります。この時、幼い安徳天皇は歴代天皇が継承してきた「三種の神器(鏡・剣・勾玉)」とともに海に沈んだとされています。
タイガーフークの公式ホームページによると、海に沈んだとされる三種の神器を手に入れ、下関を支配しようと企む悪の組織「ジャーク」から、下関の平和を守るために現れたのが、トラフグの魂を宿した「海峡戦士 タイガーフーク」なのです。
タイガーフーク誕生のきっかけ
タイガーフークの活動は、地域の活性化だけにとどまりません。
2013年から個人で始めた活動も、現在は市内外各地のイベントでヒーローショー活動や、地元企業のCM出演、握手&撮影会など、下関の人々に愛されるキャラクターとして成長しています。
タイガーフークの主題歌や紙芝居、「フーク体操第一」という体操まであるんですよ。
そもそもタイガーフークが誕生したきっかけは、友人の死が始まりだったそうです。
自ら命を絶った友人をはじめ年間3万人以上の方が自殺している現状に向き合い、そして子供の中でひそやかに蔓延していくいじめの問題を解決したい…
多くの子供たち、そしてその親たちにどうしたら命の大切さ・家族の絆の大切さを伝えられるだろう?と考えた結果、子供たちが夢中になれる「ヒーロー」としての活動に思い至ったそうです。
子供たちをいじめから救うために
現在、タイガーフークはヒーローショーなどを通じて「命の大切さ・家族の絆」を発信しています。
その他、「このゆびと〜ま〜れ大作戦」と名付けた、みんながタイガーフークの人差し指にとまって下関の子供たちの育成サポートを行う活動をしています。
また、各学校や下関教育委員会にもご協力いただき、下関市内の全小学生・中学生(約20,000人)の子供たちに、自由に想いをぶちまけてもらう自由帳「ぶっちゃけの〜と」の配布を行っています。
このノートには、専門家への相談窓口ダイヤル番号を掲載しています。チラシやカードでは紛失してしまう可能性が高いため、簡単に紛失しにくく活用してもらいやすいノートの配布を決めたそうです。
タイガーフークというシンボルを通じて、悩んでいる子供はもちろん、地域の子供たち全てを見守っていく活動に賛同してくださる企業や市民の方は年々増えているそうです。
ご当地ヒーローの枠を超えて、下関から命の大切さを訴え、子供たちの未来を見据えた活動を続けているタイガーフーク。
ふぐマガでも今後のタイガーフークの活動に注目し、応援していきたいと思います。
タイガーフークを間近で見たい方は、2017年6月25日(日)に山口県下関市の商業施設「シーモール」にてヒーローショーが行われます。
下関でふぐを食べてタイガーフークと握手!なんていう週末の過ごし方もいいかもしれませんね。