フグといえば、「高級魚」「海水魚」というようなイメージが根強いと思いますが、近年自宅で飼育できるフグが人気を集めていることをご存知ですか?
今回は愛らしい見た目で熱帯魚界ではアイドル的な存在の、観賞用として人気を集めている「ミドリフグ」をご紹介いたします。
ミドリフグはフグだけど熱帯魚
ミドリフグは、フグ目フグ科で、主にタイ・カンボジア・マレーシア・ミャンマー・ベトナム・中国などの比較的温暖な地域の河口付近に分布している熱帯魚です。
汽水域(海水と淡水が交じり合っている塩分濃度の低い水域)に生息し、見た目は、黄緑色の背中に黒色の斑点模様と、真っ白でふっくらしたお腹が特徴です。大きさ自体は、個体により様々ですが大きくなると15cm前後まで成長します。
可愛い見た目とは裏腹に、意外にも雑食性で与えたものは何でも食べてしまうという話もあるのですが、主に甲殻類や貝類などを好んで食べます。
愛らしい行動と姿にファンも多い
ミドリフグは、小さいときは好奇心旺盛な性格で、あらゆるものに興味を持ちます。そのため人間にもなつきやすく、水槽にかざした手にも寄ってきます。
泳ぎ方にも特徴があり、機嫌がよいときには水の中を上下に泳ぐこともあるそうです。ミドリフグはずっと動いている魚と言われる程とても活発な魚のため、上下に泳ぐ動きはよく見られる行動のようです。
個体差はありますが、寝ているときや、体調が悪いときになどは丸くなり、そのまま水槽の中を転がっている姿を見られることも。
機嫌によって身体の色が変化したりするなど、他の魚にはあまりない生態も見ることができます。
気性は意外と荒い!?
ミドリフグが愛される理由はその愛らしい見た目ではあるのですが、意外にも気性は荒く、混泳(他の種類の魚と一緒に飼育)するのはあまり推奨されていません。
小さい魚と混泳させると、食べてしまうこともあります。
また、一般的に知られているトラフグなどと同様、ミドリフグにも鋭い歯がありますので少し注意が必要です。
歯が伸びすぎてしまい、うまくエサを食べられなくなったり、自分の口を傷つけてしまったりするため、定期的に歯切りを行う必要があります。
ミドリフグの飼育について
ミドリフグの寿命は、5〜10年と言われていて、熱帯魚の中では比較的長寿の魚です。ミドリフグは、比較的病気にかかりにくく、日頃の水質の管理やエサやり、歯切りなどをきちんとしてあげれば、健康に育ちます。
そして、上述したとおり気分や体調などによって、動き方や見た目に変化が多く現れる魚でもあるので、事前にそういった生態を把握しておけば、初めてミドリフグを飼育したいでも、安心して飼育できるかもしれません。
ふぐと言えば愛らしくおなかをまんまるに膨らませる姿ですが、普段そんな姿はそうそうお目にかかれないもの。
自宅でふぐを飼育すれば、タイミングによってはそんな愛らしい姿を日常的に見られるかもしれません。
これからペットを飼いたいと思われた際に、「ふぐ」を飼うことを選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか?