ふぐを知る・学ぶ

フグはどうやって「フク」らむ?

「フグ」と聞いて、何を連想されますか?
冬の味覚の王者と呼ばれる高級魚、ふぐ刺しやふぐ鍋などの美味なふぐ料理、猛毒テトロドトキシンを持っている、などなど。

中でも、一番に思いつくのは「ぷくっと体が膨らむ」特徴ではないでしょうか?

フグはなぜ体を膨らませるの?

生き物の世界では、相手を威嚇するときや自身を守るために、毛を逆立てるなどして体を大きく見せることが常套手段として行われています。
身近な動物では猫などの威嚇を思い出していただくとわかりやすいかもしれません。

体毛のない魚類等にとって、体の大きさというのは捕食されるかどうかの重要な基準になってくるため、危険が迫った場合にヒレをめいっぱい広げて大きく見せようとするのが一般的です。
しかし、フグはもともとヒレがそれほど大きくないために泳ぎも遅く、体そのものを大きく膨らませることで身を守っています。

また、基本的に魚は捕食対象を丸呑みにするため、膨らむことによって飲み込まれないようにしているという説もあるそうです。

フグはどうやって体を膨らませるの?

ふぐは膨らむ際に水や空気を吸い込みます。これらは全てふぐの「胃」に入っていきます。
ふぐは胃に、特殊な「弁」と袋状の「膨張のう」を持っています。ここに水や空気が入ることにより、体を膨らませているのです。
個体によっては、自重の約4倍もの水を吸い込むものもいるんだとか!

敵から身を守るためとはいえ、そんなに体を大きくしてもフグ自身に悪影響はないのでしょうか?
フグには一般的な魚には存在する「肋骨」がないために、ぷくっと膨れても体への悪影響が出ないようになっています。
大切な内臓を守る肋骨がないかわりに、フグの身は一般的な魚よりもコラーゲンの含有量が多く、体全体の弾力と固さを得ることで自身を守っているのです。

ますます不思議で愛らしいフグの生態

これまでに、ふぐマガでもフグの生態を多く取り上げてきました。
かわいい見た目とは裏腹に猛毒を持っていたり、鋭い歯でアルミ缶を食いちぎったり、ミステリーサークルを作ったり、体を膨らませたり…と、他の魚に比べて本当に不思議な生態を持つ魚ではないでしょうか。

フグは不思議で魅力的な生態があるからこそ観賞用として飼育されたり、様々なキャラクターとして起用されるのかもしれませんね。

これからも、ふぐマガではふぐの様々な生態に迫りつつ、その不思議を紐解いていきたいと思います。

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